オンライン動画配信サービス「Hulu」にて、9月12日より独占配信が開始したHuluプレミア「ANNA/アンナ」。第1話は謎の感染病“赤い病”に世界が侵され、免疫のある14歳以下の子供しか生きられなくなってしまった物語のプロローグから始まる。主人公のアンナ(ジュリア・ドラゴット)は、ギャングから逃げつつ、“外の世界”で食料調達を行う様子が描かれた。本記事では、考察を踏まえながら第1話を振り返る。(以下、ネタバレを含みます)
「ANNA/アンナ」とは
本作は、2015年にイタリア人作家のニコロ・アンマニーティが発表しベストセラーとなった小説「Anna」が原作のパンデミック・ファンタジー。謎の感染病“赤い病”が世界中を襲って大人が全滅してしまい、免疫のある14歳までの子供しか生存できなくなったディストピアの世界を描いた物語だ。ある日13歳の少女・アンナは、”青い子供”という集団に弟がさらわれたことを知り、母親と交わした“弟を守る”という約束を果たすため、彼を捜す過酷な旅へ出る――。
原作者のアンマニーティ自らが監督、脚本を務めることでも話題になった本作。主人公のアンナ役を演じるジュリア・ドラゴットと弟・アストル役のアレッサンドロ・ペコレッラは、本作がドラマデビュー作となる。
またアンナ役の日本語吹き替えは、アニメ「SPY×FAMILY」のアーニャ・フォージャー役で知られる声優・種崎敦美が演じている。
感子供たちが食料を求めて争い始める
物語の舞台はシチリア島の荒廃した街。謎の感染病“赤い病”が蔓延する中、主人公のアンナと弟のアストルは、森の中にたたずむ家でひっそりと暮らしていた。“外の世界”に出たがるアストルに対し、アンナは「絶対ダメ」と言い聞かせていた。
“外の世界”では、生き残った子供たちは“青い子供”“白い子供”などと名付けられた無秩序なギャングと化し、食料を求め合い激しい分裂が起きていた。食料調達のために街へ出かけパンチェッタを見つけたアンナと、そこに偶然居合わせた少年ピエトロ(ジョヴァンニ・マヴィラ)も、突然顔に青色のペンキが塗られた子供の集団に追いかけられてしまう。
上手く逃げ切ったアンナは、ピエトロの運転するバイクに乗り帰宅。ピエトロに「また会う?」と聞かれるも、アンナは照れながら笑って首を振るだけだった――。
一方、自宅に1人残されていたアストルは、1冊のノートを熟読していた。そこには、「もし、食べ物の瓶やパックを見つけたら必ず消費期限を読んでから食べて。匂いも嗅ぐのよ。心配なら茹でて食べて」など、母親が残した“生きるための術”が書かれていた。
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