コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、『天狗祓の三兄弟』をピックアップ。
Webコミックサイト「コミックぜにょん」(コアミックス)にて完結を迎えた本作は、家系に伝わる宿命によって人々を喰う”天狗”を祓うことを担った青年の決死のバトルを描いた物語である。2023年9月21日に作者の晴川シンタさんが第1話の一部をX(旧Twitter)に投稿したところ5.5万を超える「いいね」が寄せられ、話題を集めている。この記事では晴川シンタさんにインタビューを行い、創作の背景やこだわりについて語ってもらった。
家族を守るために天狗の"贄"になる宿命を背負った青年の覚悟が「かっこいい」
山衛神社の氏子代は、早死の呪いが移って不幸になるという噂から「呪いの山衛森(やまえもり)」と呼ばれ、村の住人から忌み嫌われていた。しかし、山衛森家の人間が早死する理由は、村では明かされていない山に住む"人喰い天狗"を討伐しなければならないという宿命による過酷な戦いが原因だった。
山衛森家には3人の兄弟がいたが、長男・守はこの宿命を一手に引き受けようとしていた。兄を心配し一緒に氏子代を継ぐと言う弟達だったが、守が1人でこの運命を受け入れると決意したのにはある理由があったのだ。
なぜなら、守は小さい頃から父に「お前は氏子代になる為に生まれてきたのだ‼」と天狗が好む血を体内に入れられ"贄"として育てられてきたからだ。さまざまな重責から学校にも行けず孤独な世界で戦ってきた守が唯一"人"でいられる時間はいつも兄として慕ってくれる弟達との時間だけ。そのため、両親が天狗に殺されてからは、弟達の未来だけは守り抜こうと強く決意していたのだった。
ある日、いつものように守が天狗の討伐をしていると、三男・悠が家に戻っていないことを聞かされる。山衛森家の墓にいると予想した守が悠を探しに向かっていると、「キタ」と連呼する天狗に遭遇する。悠を使っておびき寄せられたと確信した守は全身全霊で天狗と戦うが…。
天狗を祓うために"贄"になる宿命を背負った青年が全身全霊で天狗と戦う緊迫感溢れる描写が話題を呼んだ本作。X(旧Twitter)上では「兄弟愛に溢れてる」「面白くてかっこいい」「絵、めっちゃ好き」「胸が高鳴りました」「血を流して戦う姿、かっこいい」「感動の予感…」など多くの声が寄せられ反響を呼んでいる。
バトルシーンや感情が揺れ動くところでは「表情」に力を込めて 作者・晴川シンタさんが語るこだわりと創作の背景
――『天狗祓の三兄弟』を創作したきっかけや理由についてお聞かせください
少年漫画をやるぞ!となった時に、連載案で「3兄弟×バトル話」が上がっていて、とてもときめきを感じたのがキッカケです。主人公が血だらけになって家族を守っていく姿が元々好きだったので、楽しみながら1話目を描いたのを覚えています。
――本作では、家族を守るために"贄"になった青年が天狗を討伐していく緊迫感溢れる展開が印象的ですが、本作を描くうえでこだわった点や、物語を構成していくうえで意識した点などがあればお聞かせください。
とにかく業を背負って血まみれで前を向いていく美しい青年が描きたかったので、バトルシーンや感情が揺れ動くところでは「表情」に力を込めて意識して描いていたと思います。
――本作の中で晴川シンタさんにとって特に思い入れのあるシーンやセリフがあれば理由とともにお聞かせください。
2巻の守と卯津羅が約束するシーンは、ネームを切ない気持ちで描いたのを覚えています。今後の守にとって大切な目的と展開になっていく箇所なので、作品にとって一番思い入れが深いです。
――先日完結を迎えた『天狗祓の三兄弟』(コアミックス)ですが、作品の見どころを改めてお聞かせください。
血まみれになりながら戦う青年、ドラマが舞う仲で涙までぶつかり合う青年達がたくさん見れます!!
――晴川シンタさんの今後の展望や目標、挑戦してみたいことについてお聞かせください。
再びバトルもの漫画を追求して描きたいのと、また別のラブコメやスポーツものにもいつか挑戦してみたいです。
――最後に読者やファンの方をはじめ、これから本作を読むという方々へメッセージをお願いします。
3兄弟含め、他氏子代達が感情を爆発させながら天狗と戦う『天狗祓の三兄弟』を、引き続き是非よろしくお願い致します!