<下剋上球児>「“これは運命なんだな“と思いました」塚原あゆ子監督の心を動かした球児キャストの存在を明かす

2023/10/29 06:00 配信

ドラマ インタビュー

球児が愛されるためのこだわりは「1ショットを抜かない」


――球児キャストはオーディションで選出されていますが、選考の中で特に印象に残ったのはどなたですか?

楡役の生田(俊平)くんは、第1・2話放送時点だとせりふが少ないのですが、おなかの中から感情が出てくる感じがあって、魅力的だなと。表情では伝わりにくい部分もありますし、不器用だなと思うことも多いのですが、オーディションのときから強い“人間力”を感じていました。

あとは、強豪校にいた経歴がある人も多く、野球の話をするときにりりしい感じがするキャストを集めているので、生田くんをはじめ、野球の話になると皆さん別人のように輝きます(笑)。

――インタビューで新井プロデューサーが「野球ができないならできない役にする」というお話をされていたのですが、実際に役設定を変更したキャラクターはいますか?

橘(優輝)くん演じる久我原は、すごく足が速いという設定で、陸上の短距離系の体付きなんですよね。リトルまではやっていたという設定にしないと野球のルールが分からないキャラクターになってしまうので、現在の設定になりました。橘くんに会っていなかったら、久我原というキャラクターは生まれていなかったと思います。

――日沖誠(菅生新樹)ら3年生の球児たちは、部員数も少なく、これまであまり試合もできていませんでした。そのため、オーディション時に野球の技術は必須条件ではないと思うのですが、どのようにしてキャストを選んだのでしょうか?

元々野球がうまくなくて、バットを振っている3年生というのは、原案の学校にもいたので、野球ができる・できないではなくて、お会いした中で運命を感じる方にお願いしようと思っていました。

菅生くんは、オーディションのときに周りが強豪校出身者ばかりで「俺めっちゃ間違いですよね!」と驚いていたんです。でも、その感じがすごく日沖のお兄ちゃんっぽくて、“これは運命なんだな“と思いました。

――キャストの一人一人がとても魅力的で、球児たちに愛着が湧いている視聴者もいらっしゃると思いますが、撮影する中でこだわっている部分があれば教えてください。

ぜひ、それぞれのキャラクターを知っていただきたいと思っていますが、野球というスポーツの特性上、どうしてもいっぺんにたくさんのキャラクターが登場することになります。なので、こういう作品の時は、徐々にそれぞれを覚えてもらえるように気をつけていて、初回ではあえて球児たちの1ショットは少なめにして、“鈴木さん”と“球児たち”で線引きするようにしました。

第2話では、試合のメンバーに選ばれなかった野原(奥野壮)や、この回から加わった久我原以外は分けて撮るようにしたりと、視聴者の皆さんが覚えやすくなるためにはどうしたらいいか、計算しながら撮影しています。

人の顔をすぐに覚えられる人にも、覚えにくい人にも、どちらにも球児たちを愛してもらうために、配慮みたいなのものは必要だと思っています。

最初は南雲先生の過ちというのをしっかりと描きつつ、その後、その過ちに対して球児たちがどう向かっていくのか。そして、下剋上を果たすためのメンタル、彼らの成長物語を描けたらと思っているので、強く変わっていくときにはどんどん1ショットを抜いていこうと考えています。

関連番組