「NHK紅白歌合戦」勘違い事件が活動休止への“最後のとどめ”に
――「しくじり先生 俺みたいになるな!!」では、「AKB48 夢の紅白選抜」での“勘違い事件”についても振り返っていました。
(2016年の「NHK紅白歌合戦」で出演メンバーを視聴者投票で決定。「君はメロディー」歌唱メンバー16人を16位から発表する中で、最後の二人となった時に山本彩、指原莉乃とともに兒玉もステージ中央に移動したが、結果は29位だった)
自分にとっては重たい出来事で、当時は笑い飛ばせませんでした。ネットでいろいろと書かれているのも知っていましたし、「なんでこんなにたたかれなきゃいけないんだろう?」と思っていました。面白がっているだけなんだとは思いますが、こっちは本気なので。精神的な負担が大きい出来事でした。
――その後、体調不良による活動休止がありました。紅白選抜がそのきっかけとなってしまったのでしょうか?
きっかけの一つでしたね。それ以前から自分の中では異変があって、“最後のとどめ”になってしまいました。
活動休止中は情報をシャットアウトした生活
――振り返るのもつらい時期だとは思いますが、当時はどんな心境だったのか聞かせていただけますか?
うつの症状はあったんですが、その時点ではまだ自分がうつ病だということには気付いていなかったんです。何かおかしいけど、仕事は毎日あって、仕事を休むという選択肢がないから行くしかない、みたいな。うつだということが分かってからは楽になりました。病気だったんだ、自分もかかるんだな、と。
――それからどのように心身を持ち直していったんですか?
仕事を休ませていただいて、ぼーっとしていました。ベッドに寝て天井だけを見て、一日が終わっていくような日々を長く過ごしていました。スマホもSNSも見ず、情報をシャットアウトした生活を数カ月続けていたら自然と元気になってきて「運転免許を取ろう」と思ったんです。
それで宮崎のおばあちゃんの家から教習所に通うんですが、仕事もないので毎日行けるじゃないですか。そうしたら二週間くらいで免許を取れたんですよ。当時は歌も歌えなくなっていてダンスも覚えられなかったので、ちょっとしたことではあるけど、運転免許を取れたことが「私、できるじゃん」と自信になったんです。
――芸能界への復帰はどのタイミングだったのでしょうか?
2年くらい休んでいたんですが、2年も働いていないと自然と「仕事しなきゃ」と思うんです。最初は、またうつになるのも怖かったし、芸能界にはもう戻らないと思っていたんですが、「小さい頃から好きだったことってなんだろう」と改めてルーツをたどると、やっぱり私は人前に出ることが好きだったんです。それで、もう一度やってみようと思いました。
※インタビュー後編に続く
◆取材・文=山田健史
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