「みんなが思っているようないい子じゃない」と葛藤
――リード曲の「裏切りの優等生」は刺激的なタイトルに感じます。
ファンの方は困惑してしまう曲なんじゃないかなとは思ったんですが、「岡田奈々にしか書けないもの」をお届けしたかったので、勇気を出して書かせてもらいました。書いたのは今年の1月ごろで、「昔の自分の考え方」と「2023年の自分の考え方」のギャップに苦しめられていた時期でした。
――「優等生」と呼ばれる機会が多かったんですね。
デビューしてバラエティー番組に出た時から、優等生・真面目キャラと言われていました。そんな自分と「本当は真面目じゃないのに」と思っている自分の葛藤が強くあったんです。「私は真面目なんかじゃないし、みんなが思っているようないい子じゃないのにな」と思っていました。
――「裏切りの優等生」というより、そもそも“優等生”なわけではなかった、と。
そうですね。その表現がもともと間違っていたのかもしれません。でも、「世の中はそう思ってしまっている」という現実を、今回は受け止めさせていただきました。
「私は私の人生を貫くぞ」という強い意志を込めた曲
――MVもすごく格好良い演出になっていました。
自分のやりたいことも着たい衣装もすべてをお願いしてやっていただきました。赤い背景も、鎖につながれている演出も、雨が降っている設定も私の要望です。
ボロボロの制服を着ているのは、AKB48時代に苦しいことも楽しいことも共にしてきたという意味を込めました。鎖は、自分で自分を閉じ込めて本来の自分を出さないようにしていたということをいうことを表現しています。眼帯を着けているのは、本来の自分を片方隠していることを意味していて、MVの終わりにそれを外すことで、「本来の自分を取り戻して、ここから何も怖いものはない。真っすぐ走ってソロで頑張っていく」という意志を表しています。
――「ネット弁慶の皆様へ」も攻めた曲ですよね。
煽ってますよね。曲名を出した時から“ネット弁慶”の方が沸いていました(笑)。そんなに煽っている曲というか…なんて言うんだろう? 煽っている曲です(笑)。
――それくらい伝えたいメッセージがあったということですよね。
ネット弁慶の方たちによって、どれだけの人が傷付き、心を痛めているかということを知ってほしいということと、「それに負けて命を落としてたまるものか」「私は私の人生を貫くぞ」という強い意志を込めた曲です。言葉の刃ですからね。このタイトルに反応してマイナスなこと言っている人が弁慶なんだと思います。