「やっぱり自分で書けないです」ってゴネました(笑)
――今作の執筆にはどのくらいかかりましたか?
4月に打ち合わせをして9月には書き終わったので5カ月くらいですね。最初から「本当に私が全部書くんですか!?」とは言っていたんですけど、書いている間に何度か「やっぱり自分で書けないです」ってゴネました(笑)。
“アイドル卒業後初”ということで楽しみにしてくれている方もいると思うと、自分が取り繕ってきれいな部分だけ書いた文章になるのは嫌で、書くならしっかり書きたいって思ったんですけど、自分にはその技量がないから「フォトブックとしてインタビューページを載せる形にならないですかね?」って春先から何回か言っていて。
でも、「いや、須田さんの文章でいきましょう」って言ってくださったので、最終的に書き切ることができました。
アイドルの仕事に対するモチベーションをお金の感覚から書いた
――そうして苦労して書き上がった文章の推しポイントは?
意外とお金の話を書いていることですね。仕事観とか金銭感覚はアイドルの間は話しづらかったので、今まではしてこなかったと思います。
私、「CD買ってね」っていうのは絶対に言わなかったんですよ。あれだけ総選挙でたくさんの人に投票してもらったり、握手会にたくさん来てもらったりしていたのに。
今の子は分からないですけど、デビューした頃はどこかファンタジーじゃないというか、人間味があり過ぎるから「買ってね」って言っちゃいけないって言われていたんです。「手に取ってほしいです」とか「よかったら見てね」とか、そういう言い方にするように、本当に気を使っていました。
だから、お金の話ってアイドルの私には結構書きづらい話だったけど、卒業したからこそ、アイドルの仕事に対するモチベーションをお金の感覚から書いたりしたので、そこは面白く1人の社会人の考え方として読んでもらえるかなと思います。
仕事に対するやりがいをアップさせるための金銭感覚の持ち方だと私は思っているので、仕事を頑張っているけどモヤっとすることがある方とかにも読んでもらえたらなと思います。
◆ヘアメーク=後口早弥香、スタイリスト=池田めぐみ