プロデュース・草ヶ谷大輔(フジテレビ編成部)コメント
当たり前の日常を奪ってきたコロナ禍が収束に向かい、ようやく人と人との直接的な繋がりも戻って来た今だからこそ、人が人を想い、支え合っていく“愛の物語”を作りたいと思い、今作を企画しました。そんな中、宇山佳佑さんの作品のファンであった私は、オリジナルのラブストーリーをやるなら、かねてからご一緒したいと思っていた宇山さん以外にいないと思い、熱烈オファーをさせていただきました。
「桜のような僕の恋人」や「今夜、ロマンス劇場で」など、宇山さんの作品はいつも愛であふれていて、とても美しく、優しいファンタジーの世界観に包まれています。今回、宇山さんが描いて下さる「君が心をくれたから」も、さまざまな愛にあふれています。それは、恋愛だけでなく、家族愛だったり、誰かの幸せを願う事だったり、偽りや下心のない真っすぐな愛です。
そんな真っすぐな愛が故に、“過酷な奇跡”を背負う事になってしまう主人公・逢原雨には、朝ドラのヒロインや、コメディから社会派まで幅広いジャンルの作品でその魅力を発揮されている女優さんであり、透き通る笑顔と目の奥に芯の強さを感じていた永野芽郁さんしかいないと思い、オファーさせていただきました。
そして、雨にとって希望を照らしてくれる存在である朝野太陽役には、今最も勢いのある俳優さんで、まさに太陽のような真っすぐで熱い方という印象があった山田裕貴さんにオファーさせていただきました。永野芽郁さん演じる雨が、“過酷な奇跡”によって奪われる“心”とは何か。そして、山田裕貴さん演じる太陽との間に待ち受ける切ない宿命とは…。寒い冬の夜、心温まる“愛の物語”に毎週涙を流される事になると確信しておりますので、ハンカチの用意をして、ご覧いただければと思います。
脚本・宇山佳佑コメント
脚本を担当します、宇山佳佑と申します。近年は小説家として活動しており、脚本からはすっかり離れておりました。振り返ってみると、ドラマに立ち上げから携わるのは「信長協奏曲」以来、約10年ぶり。映像のオリジナル作品は、映画「今夜、ロマンス劇場で」以来、約6年ぶり。そんな“ブランク長すぎ脚本家”に対して、「月9でオリジナルのラブストーリーを書いてくれませんか?」と依頼してきた草ヶ谷プロデューサーは、かなりのチャレンジャーだと思います。しかしながら、「信長協奏曲」でご一緒した松山監督とまたタッグを組むことができる。とても魅力的なお話でしたので、幾年ぶりにドラマの世界に帰って参りました。
本作は、2018年に刊行した拙著「この恋は世界でいちばん美しい雨」(集英社刊)の世界観を受け継いでおり、“案内人”や“奇跡”など、共通の要素が用いられています。物語の構想を練る前、まず念頭に置いたのは“小説家として培ったすべてをこのドラマに注ぎ込む”ということです。
僕はこれまで8年間で7本の恋愛小説を書いてきました。そこで手にしたすべてをもって物語を作る。小説で学んだことを脚本に還す。その想いを胸に、視聴者の皆様のお心になにかひとつでも届けられるよう、1話1話、心を込めて執筆して参ります。お楽しみいただければ幸いです。