鈴木保奈美がMCを務める番組「あの本、読みました?」(BSテレ東、毎週木曜夜10時)が4月からレギュラー化された。同番組は毎週のように書店に通う人から忙しくてしばらく本が読めてないという人まで、「新たな1冊」に手を伸ばしたくなる“本好き”のための情報番組。いま話題の作家をはじめ、本に携わるゲストを迎えてのトークも展開している。MCの鈴木は自らもエッセイ本を出版した筋金入りの本好き。今回のインタビューでは、“本”への思い、そして番組の見どころや魅力について話を聞かせてもらった。
「また来てもいいかな」と思ってもらえるトークを
――4月からレギュラー化されましたが、どういう気持ちで番組に臨んでいますか?
そうですね。たくさん本を読んで頑張ります!という気持ちですね(笑)。
――万城目学さんや原田マハさんなど、ゲストで来られる方が豪華ですね。
豪華すぎますね。お2人の作品は以前から読んでいて、ゲストで来ていただきたいなと思っていました。実際、お会いしてお話ししたら、尊敬できるお人柄が伝わってきました。
――レギュラー放送としてすでに数回放送されていますが、周囲の反響は?
ごく身近な友人からも、「面白いね」と言ってもらえています。それこそ番組をきっかけに、紹介されていた本を読んでみたという人もいます。
――そういう反響が一番嬉しいですよね。
はい。レギュラー放送が始まって間もないタイミングで「本屋大賞2024」の作品を紹介していたので、いいタイミングでした。
――鈴木さんは以前からいろいろな本を読まれてきているということですが、どういうジャンルが好きですか?
そうですね。たくさんかどうかはわかりませんけど、本を読むのは好きです。ジャンルは特に決まっていなくて、小説が多いとは思いますけれど、エッセイやガイドブックなども大好きですね。海外のガイドブックを読んで行った気分になったり(笑)。それに旅行ガイドブックのコーナーに行くと「今、この国が人気なんだ」ということもわかります。その国のガイドブックが豊富だったりするので。
旅行先として人気があると思っていたポピュラーな国のガイドブックが意外と少なかったりすることもあるので、発見があります。なので、いろいろな本を探しに本屋さんに行くのが好きですね。何時間でもいられます。
――わかります。目的の本があったとしても、いろんな本が目に入ると気になってしまって、ついつい長居してしまったり。
はい。実際に本屋さんに行って、出会う本もたくさんありますから。
――作家の方以外にも、編集者の方や書店勤務の方など、“本”に関わっている方が登場されていて、それぞれの方からうまくお話を引き出されていますが、トーク時にどんなことを気をつけていますか?
難しいですね。ただ、失礼にならないように気をつけていますけれど、楽しくお話をしていただいて、楽しく気持ちよく帰っていただきたいという思いだけですね。「また来てもいいかな」って思ってもらえるように、いい時間を過ごしていただけたらと思っています。
――レギュラー番組なので、今後2回目、3回目とリピートされるゲストの方も出てくることもあるかもしれませんね。
そうなったらいいなと思います。2度目の方は最初のときとは違うお話が聞けますし、出演回数が増えれば増えるほど、見てくださってる方も「あの作家さんシリーズ」とか「あの編集者さんシリーズ」という感覚になっていくと、前回の続きを聞く感じで楽しむこともできると思うので、何度も来てもらえるようにしたいです。
ゲストは著名人だけでなく、“本に携わるいろいろな人”
――今後もいろいろな方がゲストとして登場されると思いますが、どういう方とお話がしてみたいですか?
もちろん、私がこれまでに作品を読んできた作家さんのお話が聞いてみたい気持ちはありますけど、“本”に携わっている方たちってとても面白いな、興味深いなっていうことをここ数カ月だけでも発見しました。
編集者さんも然り、この前は校閲の担当者さんにも来ていただいたんですけど、とても面白かったです。あと、書店員さんもいろいろなタイプの方がいて、面白いお話をしていただけます。
――“本”に携わるいろいろな方のお話というのは、それぞれ視点が違うので面白そうですね。
はい。そういう部分ももっと掘ってみたいなと思っています。それぞれの方のお話を聞くことで、どう本ができあがって、それがどのようにして書店に並べられるのかという“過程”を知ることができますし、もっと1冊の本に興味も愛着も湧きますよね。
情報を得てから書店に行くと、「この本もああいう人たちが作って、そういう人たちによって並べられてるんだ」って、興味の湧き方が変わってくると思うんです。これまでタイトルだけ見ていたものでも、一歩進んで、手に取ってみよう、表紙をめくってみようという気になるきっかけにこの番組がなれたら嬉しいです。
――書く作家がいて、それをまとめる編集者がいて、デザイナーや装丁の方がいて。
そうそう!表紙のデザインや装丁で本の印象も全然違うものになりますよね。それと“帯”。番組で帯のお話を聞くまでは、そこまでに力を入れて作っているものだと思っていなくて、全く印象が変わりました。帯の話を聞いてからは本屋さんに行った時、帯も見るようになりました。「これは、こういう思惑があるんだな」なんて想像しながら(笑)。
――帯には作品の内容が少し書いてあったり、推薦する人のコメントが載っていたり、重版したときにはまた違う帯が付いていたりということですね。
そうなんですよ!それこそ「本屋大賞」を受賞したりすると、「本屋大賞受賞」みたいな帯を一晩で付け替えたりするんですって。そういう話を聞いてると本当に楽しくて。発売したらそこで終わりじゃなくて、そこからもいろいろなことがあるんだなと…。「仕事ってそういうことなんだ」ということも改めて感じました。