テレビ大好きイラストレーター・渡辺裕子さんが、お気に入りの番組をかわいいイラストで紹介する連載「いつもテレビをみています」。第24回は「日曜日の初耳学」(毎週日曜夜10:00-、TBS)をチョイス。
林先生の謙虚さと相手への敬意がインタビューに現れている
予備校のCMで「いつやるか?今でしょ!」と授業をする林修先生を見たのは、もう10年以上前になるんですね。見たらつい真似してしまう、インパクト大なCMでした。その後、テレビで林先生の姿をよく見かけると思ったら、あっという間にバラエティー番組に欠かせない存在に。難しいことをテレビの向こうからわかりやすく解説してくれる「先生」になりましたね。
そんな林先生は「日曜日の初耳学」ではインタビュアー。多彩なゲストを呼んでじっくりと話を聞いていますが、これが毎回おもしろい。どんな人かをだいたい知っているつもりのゲストでも、「初耳学」で語られるお話は、まさに「初耳」、びっくりするようなことばかり。いろんな人が見ているバラエティー番組で、あまり公にしてこなかった自分についてのディープな話をするのは、かなり勇気がいるのでは……と思うのですが、その勇気を出させるのが林先生の力。
インタビューを聞いていると、林先生がゲストのことについてとことん調べ、勉強しているのがよくわかります。相手についてたくさん学んだ上で「だけどあなたのここがわからない、このことを聞いてみたい」と率直に投げかける、林先生の謙虚さと相手への敬意がインタビューに現れているように思えて、だからこそゲストも「今まで言わなかったことも話してみよう」と思うのでは。
特にそう感じたのが星野源さんがゲストの時と、先日の草なぎ剛さんの時。どちらのインタビューもとても大事な話が語られていて、聞きながら感動しました。
「日曜日の初耳学」はやっぱり「学び」の場
それにしても、林修さんって「林さん」と呼びづらい。「林先生」と先生をつけて呼びたくなります。
学生時代、こちらに背を向けて黒板に文字を書き続ける先生の授業は苦手で、生徒に話を投げかけ会話する先生の授業の方が、ワクワクした記憶があります。その、ワクワクさせてくれる先生と、林先生は同じ匂いがする。自分中心に授業をすすめるのではなく、周りを見ている感じ。
「大勢に自分の話を理解させる」のが授業ですが、「誰かひとりの話をじっくり聞き、その姿をみんなに見せる」のもまた授業。「日曜日の初耳学」はやっぱり「学」がついているだけあって「学び」の場。これからも初めて聞くお話でいろんな学びを得たいし、その話を引き出して授業してくれる林先生は、やっぱりこれからも「林先生」ですね。
■イラスト・文/渡辺裕子