加藤の「質問力」はイメージ通り
――加藤さんとは初対面だったと思うんですけども、会う前の印象と会ってからの印象はいかがですか。
古旗笑佳:そこはお会いする前と後で、あまり変わっていないですね。テレビで拝見しているときから、しゃべりのプロではない方とお話されるなかで「でもここってどうなんですか」と切り込む質問力のすごさは存じあげていました。
今日はテレビで見ていたそうした風景が目の前で体現されている1日だったので…。これから、たくさん学ばせていただきたいなと思ってます。台本が台本通りではないということは見学で「そういうものなんだ」と知っていましたが、頭の中で「こういう感じで行こう」というイメージがあるのではないかなと…。
加藤浩次:組み立て、本当に全くないんですよ僕。考えてきた質問をするというより、“相手の言葉を聞いて浮かぶ質問”でないと意味がないでしょ?
樹木希林さんに教わったことだけど、「私が答えてる最中に、もう次の質問考えてるインタビュアーは最悪」と言ってたよ。
古旗笑佳:話を聞いていないから?
加藤浩次:そう。それで「僕はどうですか」と聞いてみたら、「あんた聞いてる」と…。すごくホッとしたんだけど、言われたことを俺は常に守ってるだけ。全部聞いて、そのうえで「えっ?だったら…」や「そうか、それならこうなんですか」と頭に浮かんだことを全部質問する。よく質問をあらかじめ用意してきて、人が質問に対して答えているときに「なるほどです。続いて…」という人もいるよね。あれ最悪だから(苦笑)。
古旗笑佳:はい(笑)。
加藤浩次:もう「次何質問しよう」しか考えてないんだよね。俺が言ってること、聞いてないんだもん。だから「相手の話を全部聞く」は絶対だと思う。そうしたら、絶対良い質問が出てくるよ。
古旗笑佳:相手の話に興味を持って質問できていたら、自然に「これどうなんだろう」と思うものですよね。今日も学者の方々が面白い話をしてくれたとき、「これは?」という疑問が浮かんで来ていたので。
加藤浩次の思う「愛されるアナウンサー」の秘訣
――加藤さんはいろいろなアナウンサーとも共演されてきたと思います。そのなかで「愛されるアナウンサー」の秘訣というと、どのようなものがあるのでしょうか。
加藤浩次:やっぱり「人に公平」なことですね、スタッフに対しても、プロデューサーに対しても、演者の大御所に対しても、若手芸人に対しても…「公平かどうか」はみんなが見ているので。
大御所の方にはペコペコして、若手芸人にはぞんざいな扱いをしていたら「うわ、なにこいつ」って思うじゃないですか。人としての公平性は大事だと思いますけどね。下の人も人も上の人も一緒ということです。
――古旗さんは入社3ヶ月目ですが、もうレギュラー番組を持てることへ思うことがあれば教えてください。
古旗笑佳:伝えていただいたときは、「大丈夫かな」と思いました。アナウンス技術みたいな面もまだまだという認識ですし、研修の中で「難しいな」と思うことも多かったので…。「これではまだ現場には出られない」と思っていました。
実際お声がけいただいて「頑張らなきゃ」と思いましたが、それよりも「私でいいんですか」という気持ちの方が強かったですね。
――いまはアナウンススクールなどに通われてからアナウンサーへ…という方も多いですが、古旗さんはスクールに通われたのでしょうか?
古旗笑佳:すごく短期間ではあったんですけど、1カ月ほどお世話になったスクールがありました。同期が2人いるんですけど、2人と比べても実力不足が目に見えてわかるというか…。不安はもちろんありますけど、「伸びしろだ」と捉えていいます。
「自分がいま1番できていない」という状況に置かれると、「頑張るぞ」と奮起するタイプですので、燃えています!(笑)
――笑佳さんというお名前は「いつでもニコニコしていて欲しい」という思いでつけられたのでしょうか?
古旗笑佳:「いつでもじゃなくていいよ」と言われたんですけど(笑)。乗り越えられなさそうな困難があっても、笑顔は忘れないで…良い笑顔を忘れずにね、という願いが込められているとは聞いています。