「わかっていないことが多い」ことがわかる番組
――専門分野から賞をいただいている「いまからサイエンス」ですが、番組ならではの魅力を教えていただけますか。
加藤浩次:じっくり聞けるってことです(笑)。じっくり1時間も話を聞くというのは、いまのテレビではありえないと思うんですよね。BSだからできることだとも思います。
やっぱりいまのテレビは「テンポアップ」と「わかりやすさ」に比重が置かれていると思います。でも科学の知識を扱う番組なので、「なんだろう」と立ち止まって考えることもあるはず。そして研究者の方はわからないことは「わからない」とはっきり言うので、「まだわかっていないことが世の中にはたくさんある」ということがすごく学べるんですね。
最先端の話を聞くことで、「その先にまだわからないことがこれほどあるんだ」ということを知るのがとても大事だと思います。わかったような気になっちゃうじゃないですか、いまのテレビの作りだと。でもそれは決して正しいことではないんだろうなと、科学を通して知ることができる番組だと思ってます。
――番組をきっかけに興味を少しでも持って、それがさらなる知識欲に繋がっていけば…ということでしょうか?
加藤浩次:そうですね。そうなれればいいし、でもそこまで重く考えないで「へぇ~!!」ぐらいのラフな感じでも全然いいですけど(笑)
古旗笑佳:トピックだけ見ると、結構難しいものが多いという印象ですよね。過去回を見ても、「量子コンピューターってなに?」という気持ちになるかもしれません。
言葉は聞いたことがある、でも何かは説明できない…といったことがトピックとして登場します。それを最先端を進む方が、「じゃあ日常だったらこういうところに使われているのかも」と想像させてくれるレベルまで深く解説してくれる。身近に感じられるというところがすごく番組の面白いポイントだなと思っています。
――タイトルで「なんか難しそう」と思うのはもったいないかもしれませんね。
古旗笑佳:番組を見たら、「あ、こんなに優しい話題なんだ」と思ってくださるはずです!
――改めて収録終えたいま、フレッシュな目線で番組にかける意気込みいただけますでしょうか。
古旗笑佳:きっと自分が普段生活しているなかでは興味を持たないかもしれないトピックが、これからもたくさん出てくるのではないかなといまからワクワクしています。そして研究されている方の熱量に負けないように、自分も同じぐらいの熱量を持ってどんどん質問をできたらと思っています。
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古旗アナが初登場する「いまからサイエンス」は、7月10日(水)よる10時からBSテレ東で放送。「深海にこそ地球生命の起源があるのでは」と唱えるJAMSTEC(海洋研究開発機構)の高井研さんを迎え、深海から生命誕生の謎に迫る究極の研究を深掘りしていく。