芸人、MC、俳優、小説家などさまざまな顔を持つ劇団ひとりに5カ月密着し、その私生活や生き様に迫るHuluオリジナルドキュメンタリー番組「ひとりの一生涯」。動画配信サービス・Huluでは、『ポータレッジ完全版』、『無人島編(前後編)』、『ボクシング編』を一挙独占配信中。そこで今回は、本作の見どころを中心に紹介していく。
劇団ひとりに“死ぬまで密着”、やりたいことに挑戦する姿を追う
本作は、ゴルフやDIY、キャンプなど芸能界随一の多趣味を極める劇団ひとりに“死ぬまで密着”することがコンセプトのドキュメンタリー番組。劇団ひとりが“ずっとやりたかったこと”を3つ厳選し、それらを実現していく様子が描かれる。
『ポータレッジ編』では、劇団ひとりが“やりたかったこと”の一つとして“ロッククライミングの途中、崖で寝る人”を挙げ、ポータレッジ(携帯用の崖に吊るす簡易テント)を使って地上60mの断崖絶壁で寝ることに挑戦する。
生半可な気持ちで挑むと“死”にも直結するため、まずは初心者のトレーニング場所として人気の崖「滑岩」でロッククライミングの練習に励む劇団ひとり。そこでポータレッジ設営方法も学び、本番への挑戦に備えていく。
そして1カ月後、“日本のヨセミテ”とも呼ばれるフリークライマーの聖地「小川山 尾根岩二峰」にて“崖で寝る”という挑戦をおこなうことに。練習時には「すごく楽しい」「この崖(滑岩)ではちょっと物足りない」などと余裕を見せていた劇団ひとりだったが、「小川山 尾根岩二峰」ではきつそうな表情で絶壁を登っていく。そしてやっとの思いで目的地に辿り着き、ポータレッジを設営していくのだが――。
続く『無人島編』では、裸一環で2泊3日の無人島生活に挑戦。はじめてのサバイバル生活は順調かに思えたが、1日目の夜に事態は急変する…。そして『ボクシング編』では、劇団ひとりのボクシング大会出場に密着。番組内では、試合に向けたトレーニング風景や、白熱した試合展開が繰り広げられる。
劇団ひとりは「全部二度とやりたくないことに変わったかも」
密着を終えた劇団ひとりは同番組について、「極力カメラを意識せずにやりました」と、あくまで自然体の自分を表現したとコメント。普段テレビ番組のMCなどでビシッと決める様子や、俳優業ではクールな役どころを演じることも多い劇団ひとりだが、それとは少し違う一面が見られるのも本作の見どころの一つだ。
また、今回“ずっとやりたかったこと”が実現できたことで、さぞ充実感で溢れているのかと思いきや、「ずっとやってみたかったことなんですけど、実際やってみた結果、全部二度とやりたくないことに変わったかも」と心中を明かしていた劇団ひとり。なぜ“二度とやりたくない”と思ってしまったのか、番組内では想像以上に厳しい現実に直面し、過酷な挑戦で打ちのめされそうになる劇団ひとりの奮闘が映し出される。
そして最後には、「死ぬまで密着してくれるということですが、今回の密着を見てもらえれば、本当にいつか死ぬかもしれない、そう感じてもらえると思います。まぁ、僕もそれで人生が終わるんだったら芸人として満足です。いや、やっぱ嫌ですね(笑)」と冗談交じりでコメントしていた。
お笑い芸人という顔を持ちながら、小説家、映画監督、俳優など、これまで様々な分野でも活躍してきた劇団ひとり。今回彼の体を張った“新しいことへのチャレンジ”は、見ていてどこか勇気をもらえる内容にもなっている。そんな本作は、“劇団ひとり”という一人の人間としての新たな一面や素の部分が垣間見える番組と言えるだろう。