CHAGEと万城目、会員2名の「のいた会」
司会から「直木賞受賞に続く、ビッグニュースがあるんですよね?」と振られた万城目。そこで告げたのは、「初めて作詞をやりまして」という納得のビッグニュースだった。
それも、作詞をオファーしてきたのは大好きなCHAGE。実は作詞の仕事はずっと断ってきた万城目だったが、CHAGEとはプライベートでも親交があったため「逃げられない状況」を作られたと笑う。
中学時代から聴きこんでいたスター・CHAGEとはラジオ出演で縁ができ、いまでは1年に1回ほど食事に行く仲なのだとか。鈴木が「俺もここまで来れたなって感じ…?」と冗談めかして話を振ると、万城目は意外な話を続ける。「会の名前があるんですよ。2人しかいないんだけど、『のいた会』って言いまして。CHAGEさんと僕のお食事会の名前、僕がつけたんですけど『のいた会』…『“の”ぼりつめた、“い”ただきを、“た”んのうする会』っていう…」強烈なパンチ力のジョークに、会場は大きな笑いで包まれた。
ともあれ、それほど尊敬するCHAGEから受けた作詞の依頼。小説とはかなり勝手が違うところに戸惑いながらも、何度かCHAGEに草稿を送ってはイメージをすり合わせていったという。
ここで舞台上に、万城目とCHAGEの手で歌詞がどのような変遷を遂げたかがわかる歌詞表が登場。万城目は自身のなかにあるCHAGEのイメージや、彼の生きざまを歌詞にしたと語る。
CHAGEとやり取りを続けるなかで、「独り海原を行く」という言葉が「君と海原を行く」に変わるといった“感覚の違い”も大きな発見だったという万城目。「小説家ってなんでもかんでも1人でやってたので、1人で道を進むというイメージがあるんですよ」と語る一方で、CHAGEの提案してきた歌詞は「応援してくれる人のために歌う」ものだったという。万城目の歌詞が独り行く求道的な歌詞が多かったのに比べ、CHAGEの視点はファンに寄り添って歩こうとするもの。「そこがちゃいますよね。僕読者のためには書いてませんもん」と自虐も交えた万城目の言葉にまたも会場には笑いが起きた。
万城目は作詞を終え、「こんな日が来るのか」と改めて感動したと告白。CHAGEが万城目に胸襟を開き、自身の内面をさらけ出さなければ歌詞は作れない。万城目が作詞した「飾りのない歌」が収録されたアルバムは8月28日(水)に発売となるそうだ。
最後は万城目の新刊『六月のぶりぶりぎっちょう』のお知らせを挟み、公開収録は幕を閉じた。万城目のユーモラスな語り口と、鈴木の確かな知識に裏打ちされる質問力によって大いに盛り上がった今回の公開収録のようすは、TVer・ネットもテレ東で配信中。
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