コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、安堂友子さんが描く『マチ姉さんのポンコツおとぎ話アワー』より『白雪姫(ほぼ女王と鏡)』をピックアップ。
安堂友子さんが2024年7月16日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、4万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、安堂友子さんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
クスっと笑えるおとぎ話たち
誰もが知っているおとぎ話の世界「白雪姫」に出てくる女王は、今日も鏡に世界で一番美しいのは誰か、を問うていた。すると鏡は「白雪姫」と答えるものの、それは女王が夜更かしして深酒したためだと言う。それを改善できればまた世界一になれることを知った女王は、「目指せ一位奪還」として努力し始めるのだった。また女王は、2番目に美しいとされていたヒルダという女性や馬に対し、意外な行動に出たりする。
さらに、リンゴを白雪姫に渡そうとした女王は、森にたくさんなってる木があるからいらないと言われてしまう。怒った女王は、木からリンゴを取るのは動物のごはんの横取りだ、と白雪姫に主張する。その後、森の木からリンゴをとらなくなった白雪姫。すると森の動物たちから女王は感謝されるのだった。
作品を読んだ読者からは、「着眼点が天才」「この鏡、国家の秘宝すぎる」など、反響の声が多く寄せられている。
作者・安堂友子さん「オリジナルのオチをつけるよう意識」
――Xに投稿されている『白雪姫(ほぼ女王と鏡)』をはじめとするおとぎ話を元にした『マチ姉さんのポンコツおとぎ話アワー』は、どのようにして生まれた作品ですか?きっかけや理由などをお教えください。
普通のギャグ4コマを考える際に浮かんだ昔話パロディーネタが最初でした。
描いているうちに比較的数が出せると感じ、このテーマのみでまとめられそうと思ったことがきっかけです。
――『マチ姉さんのポンコツおとぎ話アワー』を描くうえで、特に心がけているところ、大切にしていることなどをお教えください。
原作(昔話)の不自然な点にツッコミをいれる側面があるため、単なる揚げ足取りにならないよう、ちゃんとオリジナルのオチをつけるよう意識しています。
シンデレラのガラスの靴が「本当に国中の女性が履けないなんてある?」で終わるのではなく、履けなかった理由を面白く想像していく、といった形です。
他だと、昔話パロディは既に大勢の方が作られているので、ネタがかぶらないように、本数を多く出すことも重視しています。
――作品のなかで、特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
X(旧Twitter)にあげている話は、基本どれもお気に入りなのですが、今回ご紹介いただいている中では、セリフだと『白雪姫』の「身に覚えゼロすぎる」「白雪姫(アイツ)バクバク喰ってて」や、美しい馬についてやりとりする魔女と鏡の会話の流れ、『浦島太郎』の「ご家族のガチ喧嘩(ゲンカ)勃発しちゃった」二重のパロディですが『桃太郎』の「苦痛に耐えられない時食うが良い」など。
設定だと「鬼の仕業じゃなくて村人のやらかし」「ベルの地元より野獣の館の方がマシな環境」「竜宮城のお土産コーナー」などがお気に入りです。
会話の流れが気に入っていたり、メイン登場人物よりも周囲がおかしい、という状況が好きみたいです。
――投稿されている『マチ姉さんのポンコツおとぎ話アワー』シリーズの漫画には多くの反響やコメントが寄せられています。そういった反響をどう感じていらっしゃいますか?
投稿には宣伝の目的もあるので、反響が多いのはとても有り難いです。
コメントの全部に返信はできないのですが、なるほどなと思ったり、仕込んだ細かいネタの意味が通じていたりすると、大変嬉しいです。
――安堂友子さんご自身や作品について、今後の展望・目標をお教えください。
『マチ姉さん』はできるだけ長く続けたいですが、並行して、4コマ以外にも挑戦したいです。
――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。
今回ご紹介いただいたお話以外にもたくさんのネタ(本当に多いよ)が収録されている単行本①~③をぜひお手にとっていただきたいです。
引き続きよろしくお願いいたします。