“原点”オーストラリアで生まれた「マッドマックス」シリーズに出演
もちろん、“ソー”と並行して、いろんな役や作品にも挑戦している。「マイティ・ソー」公開の翌年、2012年の映画「スノーホワイト」では主人公のスノーホワイト(白雪姫)を助ける猟師エリックを演じ、2013年の「ラッシュ/プライドと友情」では1970年代に活躍した実在のF1ドライバーであるジェームズ・ハントを演じた。
2014年の「ブラックハット」は服役している天才ハッカーといったそれまでとは違うタイプの役に挑み、2015年の「白鯨との闘い」では“ソー”のために筋トレなどで体重を10kg増やした体を、食事制限で20kgも落とすなど、ストイックな役作りを含めて、その役、その作品に真摯(しんし)に向き合ってきた。
体重の増減も含めて、役者魂を感じさせるヘムズワース。やはりその190cmの恵まれた体躯が大きな武器になっている。2020年の「タイラー・レイク -命の奪還-」で、傭兵の主人公を肉体の限界に挑むアクションで見せ、2024年5月末に公開されたばかりの「マッドマックス:フュリオサ」での悪役ディメンタス将軍もヘムズワースだからこそ演じられた役だった。ヒーローのイメージが強いからこそ、ヴィランを演じているのが新鮮だったというのもある。オーストラリアで生まれ育ったヘムズワースは、子どもの頃に見た「マッドマックス」と「クロコダイル・ダンディー」が俳優になりたいと思ったきっかけの作品だったという。そのシリーズの最新作に出演できたことで、ヘムズワースはまた一つ次の段階へを足を踏み入れたような気がする。
ハリウッド殿堂入りで名実ともにスーパースターに
2022年11月にはドキュメンタリーシリーズ「リミットレス with クリス・ヘムズワース」で将来アルツハイマー病を発症するリスクが高い、という検査結果が出たことも話題になったヘムズワース。それでも家族の支えもあって前向きに捉え、「マッドマックス:フュリオサ」の宣伝にも積極的に登場。公開直前には、伝統の「ハリウッド・ウォーク・オブ・フェイム」の星を獲得し、“ハリウッド殿堂入り”を果たした。
マーベルファンとしては“ソー”をもっと見たいというのはもちろんあるが、同時に違うタイプでも強烈な印象を与えてくれる役にもどんどん挑戦してもらいたい。
なお、「マイティ・ソー」などMCU過去作品はディズニープラスで配信中。
◆文=田中隆信
https://www.disneyplus.com/ja-jp/browse
■【公式】Disney+(ディズニープラス)で「リミットレス with クリス・ヘムズワース」を見る
https://www.disneyplus.com/ja-jp/series/limitless-with-chris-hemsworth/
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