8月13日に放送された野球トークバラエティ「ダグアウト!!!」(毎週火曜夜10:00-11:00、BSJapanext<263ch>)。今回のゲストは、セ・リーグとパ・リーグの両方で活躍した技巧派ピッチャー・下柳剛と、“ガッツ”の愛称に負けないガッツあふれるプレーでファンを魅了した小笠原道大だ。いまだから話せる“ぶっちゃけトーク”満載の放送回となっていた。
小笠原が語る“神様”な存在
最初のコーナーは、ゲストの現役時代やプライベート、野球界全体についてアレコレ聞きまくる“球界アレコレ話”。ゲストの知られざる球界相関図を作成するべく、まずは“怖かった先輩”について聞いていく。
しかし小笠原には怖い先輩がいなかったという。北海道日本ハムファイターズのチームメイトは、みんなフレンドリーだったようだ。もう少し深掘りすると出てきたのが、「怖いというよりも偉大」「尊敬のもっと上。当時の野球界でいう神様」として落合博満の名を挙げた。
落合といえば、NPB史上唯一“3度の三冠王”に輝いたレジェンド選手。NPB史上最高の右打者の1人としても知られているため、“神様”呼ばわりも納得の名前だ。
小笠原が日ハムにドラフトで入団したタイミングと同時期に、移籍入団してきた落合。小笠原は落合の印象について、「遠目で見るような感じ」「近くにいても声を出さず頭を下げるくらいな感じ」と当時を振り返る。実績がある選手が目の前にいる状況は、「テレビを見ている」ような感じだったという。
またキャンプ練習で落合はこもって練習をするため、どのようなバッティング練習をしているのか見ることができなかったのだとか。他の選手とは別メニューだった落合は、「朝に砂浜散歩して、着替えたらベンチ前でキャッチボールして、気づいたらテントでポンポン…」と他の選手とは違う練習メニューをこなしていたそうだ。
その間自分たちは守備練習などをメインのグラウンドで行っていたため、落合の練習風景を見ることは叶わなかったと語る小笠原。「落合さん、素振り見てください!みたいなのはとんでもなくて言えない感じですか?」というMC・ビビる大木の質問にも「いやいやいやいや」「そんなんは…」と恐縮するなど、落合へのただならぬ尊敬が伺えた。
しかしあるときから小笠原は、神様のような存在である落合の“グローブ持ち”になったのだとか。ファーストから帰ってきた落合から帽子とグローブを渡され、帽子のなかにボールを入れて落合のベンチへ置くという役目を任されることに。落合は小笠原が準備をしてベンチのなかにいない場合、小笠原の代役を立てずに自分で持って帰っていたという。
なぜ小笠原以外にその役を任せていなかったのか、と落合に聞かなかったのかを問われた小笠原は、「聞けなかった」と答える。それくらいは聞いてもいいのではと思うが、そんな疑問も口に出せないほど自分と落合に差を感じていたと当時を振り返っていた。
アナウンサー泣かせな下柳のお立ち台“お決まり”エピソード
ガチャガチャでトークテーマを決定する“ガチャガチャダグアウト!!!”のコーナーでは、下柳が「お立ち台」というトークテーマを引き当てた。現役時代のことを振り返り、下柳は照れくさそうに「お立ち台は嫌いだった」と答える。「なんでですか。自分が活躍した証じゃないですか」と大木が詰める。
マウンドに立ってプレーをしている時は、観客のことが気にならないが、お立ち台に立つと1人だけみんなに見られることになるため「恥ずかしくて恥ずかしくて」と笑みを浮かべる下柳。そんな下柳だけにお立ち台に立つのはなるべく避けていたため、阪神タイガース在籍時はほとんどお立ち台に立つことはなかったのだとか。試合後すぐにロッカーへ向かい、「アイシングしてる〜」などの理由をつけてお立ち台から逃げいていた。
下柳は試合が終わって“スイッチ”が切れると観客が多いことに気づく…というシーンが多かったそうだ。大勢の観客がいることを意識した状態で、真ん中に立てと言われることに恥ずかしさを感じていたと語る。
試合中の満員の歓声は気持ちいいようだが、高いところに立たせられてインタビューされても「何を答えようかな」と感じていたと暴露した。そうした混乱がインタビューにも出るのか、お立ち台に立ったときはアナウンサー泣かせの回答をしていた下柳。「勝てたらいいなと思ってました」と、いつも同じ答えで乗り切っていたと漏らして笑いを誘う。
たとえば「どんな気持ちでマウンド立たれたんですか」という問いにも、試合に勝利して「抑えのピッチャーが投げているところを、どんな気持ちで見ていましたか」という問いにも、「勝てたらいいなと思ってました」という通り一遍の答えを貫いていたというから筋金入りだ。
しかしいつしか、甲子園ではお立ち台で「勝てたらいいなと思ってました」という下柳の言葉が出ると、観客が湧くようになっていたのだとか。下柳は当時のようすを嬉しそうに、ニコニコしながら語っていた。
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