17歳だった2014年に「岡山美少女・美人コンテスト」でグランプリを獲得すると、その美貌から“岡山の奇跡”と称され、さまざまなCM、ドラマ、舞台、映画に出演してきた俳優の桜井日奈子が、9月6日に芸能活動10周年を記念する「桜井日奈子10周年記念写真集『鴇色』」(東京ニュース通信社刊)を発売。9月7日に同写真集の発売記念会見に登場し、これまでの10年を振り返りつつ、今後の10年への思いなどを語った。
10周年も「まだ10年なんだ」という感覚
2014年に芸能活動を開始し、2024年は芸能活動10周年の節目の年だが、桜井は「私の感覚的にはまだ10年なんだ、と。今までの1年1年が濃かったのでもっと長くやっているつもりでした」とした上で、「10年は一つの節目ですし、ここまで続けてこられたのは支えてくださったスタッフさん、応援してくださったファンの皆さんのおかげだなとすごく感じています」と、感謝を込めた。
デビュー当時17歳の少女が、今や27歳の大人の女性に。“まだ10年”とは言うものの、取り巻く環境を含め、変化がなかったわけではない。あらためて、ここまでどんな10年だったかを問われると「17歳で事務所に所属して、あれよあれよという間に環境が変わっていったんです。自分が望むよりも早く仕事が舞い込んできて、すごくうれしいことだったんですけど、この世界でずっとやっていくんだという覚悟が固まらないままいろんな仕事をやっていく中で、“やらされている感じ”というか、すごく受け身で仕事をやっていた」と、自分の考えとは裏腹に一気にブレイクしたことへの戸惑いを告白。
続けて「最初は勢いがあったので良かったんですけど、だんだん勢いが落ちていって、仕事もちょっと落ち着いてきちゃったかもってなったときに、『私ダメじゃん』『何でこんなふわっとした覚悟でやっちゃっていたんだろう』と、自分の覚悟の足りなさとか、仕事で失敗しちゃったときに言い訳しちゃう感じとか。まだ子どもっぽいところがありつつ、仕事をやってしまっていた部分もあって。そういうのを反省しつつ、共演するベテランの俳優さんに刺激を受けて、私もこの世界で20年、30年ずっと求められ続ける俳優でいたいなというふうになって。今はこの世界でずっとやっていきたいという覚悟を持っているし、もっとこういう作品にチャレンジしたい、こうなりたいという目標も明確にありますが、葛藤のあった10年でした」と仕事に対する葛藤や、覚悟が足りなかったことなどを赤裸々に語った。
その上で、次の10年へ向けた思いを聞かれると「面白い俳優になっていたいです」と笑顔を見せ、「コメディーが大好きなんですけど、シリアスなお芝居もいいよねって言われる、振り幅の広い俳優でいたいと思いますし、『桜井日奈子が出ているから絶対面白いじゃん。見に行こうよ』って言ってもらえるような俳優を目指したいと思っています」と、力強く宣言した。
見た目の変化にバッシングも「今のこの体が好きなんだと自分を肯定」
今回の写真集は俳優としてドラマ、映画、舞台、CMなど幅広く活躍する桜井の芸能活動10周年を記念して制作。初めて訪れたというベトナムを舞台に、リゾート地としても知られるダナンのビーチで遊んだり、ナイトマーケットを訪れたり、世界遺産であり、東南アジア屈指の美しさを誇るホイアンの旧市街を訪れ、ランタン祭りにも参加するなど、観光も満喫しながら撮影が行われた。このほど2度目の重版が決定するなど大きな反響を呼んでいる。
写真集の取材会では恒例の自己採点を求められると、桜井は「1億点満点で!(笑)」と即答。「自信がない時期が長いことあったんです。自分に自信が持てないときにドラマやバラエティーなどで表に出たとき、すごくバッシングを受けて。『太った』とか『劣化した』とか『もう応援するのをやめようかな』という声も届いていて。あまり精神的にいい状態ではない時期もあったんです」と周囲の雑音に悩まされたことを打ち明けつつ、「それを経て、自分は今のこの体が好きなんだと自分を肯定して、あまり周りのバッシングに流されずに自分らしさを表現できたのがこの写真集なのかなと思うので」と、自分らしい作品が出来たことに胸を張った。
そして今回の写真集は次のステップに進むための挑戦の一つであると強調し、「やらされてやったのではなく、私が表現したくて出した写真集なんだよ、というのを応援してくださる方には受け入れていただきたいなと。この先もっとワクワクするような挑戦をどんどんやっていきたいと思っているので、ぜひ応援していただけたら、もっともっとワクワクさせてあげますよ!って…ちょっと挑戦的な私もいたりするので、応援してもらえたらなと思います」と笑顔を交え、力強くアピールした。
◆取材・文・撮影=月島勝利(STABLENT LLC)