オーストラリアのTVドラマ史上歴代No.1視聴率を誇る「ウェントワース女子刑務所」。虐待を続ける夫への殺人未遂の容疑でウェントワース女子刑務所に収監された普通の主婦、ビー・スミス(ダニエル・コーマック)が、娘に再会できることだけを励みに曲者だらけの刑務所生活を生き抜く姿を描いた本作。本記事では、見どころとともにシーズン1~8のあらすじを紹介していく。
怯えるだけだった普通の主婦・ビーが刑務所内でたくましく変化を遂げていく
本作は、オーストラリアで1979年から1986年まで放送された人気ドラマ「Prisoner Cell Block H」をリメイクした作品で、オーストラリアのTV界で最も権威のあるロジー賞や、オーストラリアのエミー賞とも呼ばれるアステラ賞などを受賞し、世界158以上の国と地域で放送、配信されている人気作だ。
閉ざされた塀の中で囚人たちが独自の社会を築き、外の世界の常識が一切通用しない環境で繰り広げられる権力争いや壮絶な頭脳戦。ときには肉体も駆使しなければならないタフでサバイバルな日常に、始めのうちは怯えていただけのビーが、様々な事件を通じてたくましく変化していく姿は本作の見どころとなっている。
そんなビーを演じるダニエル・コーマックは、後に行われたフランキー役のニコール・ダ・シルバとのトークイベントで役作りについて明かしている。それによると、シーズン2に入る前にプロデューサーから“「ターミネーター2」のリンダ・ハミルトンのような肉体に仕上げてほしい”と言われたそうで、1日2回のワークアウトと特別な食事療法により、やっとの思いで強靭な肉体を作り上げたという。物語が進むにつれて鍛え上げられていくビーの精神面はもちろん、ダニエルが必死に作り上げた“肉体面の変化”にも注目したい。
個性的な女囚人たちが続々と登場
本作では、ビーを待ち受ける囚人たちの個性的なキャラクター像もの見所の一つ。女囚人のボス・ジャックス(クリス・マクウェイド)と対立する新派閥のリーダー・フランキーは、その美貌に加えて引き締まった筋肉とおしゃれなタトゥー、明晰な頭脳と頼りがいのある性格から、主人公のビーとともに絶大な人気を博したキャラクターだ。
また、新入りのビーに刑務所内の生活や仕組みについて説明する「世話係」のリズ(セリア・アイアランド)や、子供が大好きで別の囚人の子供を我が子のようにかわいがるドリーン(シャリーナ・クラントン)など、囚人でありながら心優しいキャラクターも登場する。しかし、もちろん彼女たちにも罪を犯した悲しい過去が…。
さらに、そんな彼女たちを見守る看守たちの人生にフォーカスするシーンも。刑務所という狭い世界の中で密接に絡み合う、歪で異様な人間模様。極限の状況にありながら、それでも生き延びていかなければならない囚人たちのサバイバルな日常がスリルたっぷりに描かれていく。
KADOKAWA / 角川書店