かがくの里は「“ワクワク”が増している」
――「目がテン!」は教養番組ということで、小中学生が現場で実験を行うこともありますが、印象に残っていることはありますか?
普段は大人たちだけで収録しているけど、実際に子どもたちがスタジオに来て実験をやっていると、子どもたちの表情や反応を間近で見られるので、たまにはいいなと。これが毎週になると、彼らも慣れてくると思うので、「うるさい」と思うでしょうね(笑)。
でも、小中学生がやった実験に驚かされることもあって。だから「(実験結果に)そうなるんだ!」と思って、いつもワクワクさせてもらっています。
――所さんにとって、やはり“ワクワク感”が一番大事?
それは「かがくの里」も同じですね。最初はあそこまで行くのは「面倒くさい」と思っていたから(笑)。でも、今は「行きたい」と思うようになっていて、自分の中の“ワクワク”が増しているんでしょうね。
でも、それは自分が「頑張ってやってきた」というのとは違って、「かがくの里」を支えてくださった地域の皆さんの協力があってこそ、ですから。
――刺激を受けたところもありましたか?
もちろん。それはこの番組だけでなく、(放送局に関係なく)全ての番組で刺激を受けているし、楽しいですね。そもそも僕はテレビ局に来るのが好きで楽しいんですよ。なので、自分が緊張するのは自分の家に帰るとき。娘の目線とか、親としての立場となったときに、一番緊張します(笑)。
スタッフの執念がいつも「スゴイ」
――逆に、「目がテン!」内で「これは?」と思った企画はありますか?
毎回、最後にスタッフが考えたみたいな料理を出してくるんですよ。これが本当に毎回、 絶望的においしくないし、マズイ! 調理過程を見ているから、「余計なことはするなよな」と思うんだけど、いつも余計なことをするんですよね(笑)。
だから、「納豆」の回(2007年1月28日放送・第867回)があったと思うけど、あれぐらいシンプルでいいんですよ。でも、それでも懲りずにチャレンジしてくるから、スタッフの執念がいつも「スゴイなぁ」と思っています(笑)。
――「所さんの目がテン!」は今年で35周年。所さんの中で、この番組はどういう存在になっていますか?
収録スタジオに行く曜日や時間が同じなら、そこから帰る時間もほぼ同じで。ほかの番組もそうなんですけど、このスタジオに通うのは、生活みたいになっています。
そのうえで、私は自分で車を運転してくるので、ここの駐車場のガードマンさんとも仲良くなって。季節のものをいただいたりするので、こちらも何かお返しをしたりとか。番組以外でも仲良くさせていただいています(笑)。
――「目がテン!」の今後については?
それこそ、こういう機会があるから35周年について振り返るけど、さすがに自分の調子が悪くなったら辞めますよ。息も絶え絶えでやりたくないないですからね。でも、自分が笑えているうちは続けたいと思うし、やりますよ。
取材・文=馬場英美