コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、サンデーうぇぶりに掲載されている『キミの手には』をピックアップ。作者である漫画家の小形朱嶺さんが、2024年5月24日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ、8000件を超える「いいね」や反響が多数寄せられた。本記事では小形朱嶺さんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
運気が上がる握手を求めて教室には大行列が…
日向美幸と握手すると運気が上がるらしいという噂が出回り、日向の教室には毎日行列ができていた。その力は本物らしい。「日向さんと握手したら、テストで山張ったとこ当たってさ〜」「私は告白成功しちゃった!」という口コミで、日向は常に引っ張りだこ。
隣の席の野田は、日向が生徒の握手を断っているところを見たことがなかった。ある日の昼休みの終わりかけ。日向はまだご飯を食べ終わっていなかったが、「ねぇーっ、ヒナタちゃん!!」と呼び止められてしまった。
「ウチ、今日小テストあるからいい点取れるようによろしくっ!」という生徒の圧に押されてしまう日向。「そういうのはあまり保証が…」と言っても聞く耳を持たず、「そーいやアタシ、前回のテスト前握手してもらったら赤点回避したわ。」「えーまじ?普通にやばくね?」「てかそんな効果あるならお金取れそう〜」「楽そうなバイト(笑)」と盛り上がる生徒たち。
「え、ええと…そろそろ…」という日向の声が聞こえていないのか、「よーしじゃあ良い成績とれるよう、運気マシマシでよろしく!」と日向に対する要望がエスカレートする。
するとその隣で野田が「うるっっっせえな!!」「握手してる暇あるなら勉強しろ!」「こいつまだ昼飯食ってねーの!」と言って立ち上がった。
日向に握手を求めてきた生徒たちは、野田のあまりの迫力に「え、なにマジレス?こわ…」と言って日向の周りから離れていく。
日向は疲れ切った顔でお礼を言った後「でもなんで庇ってくれたの?」と野田に尋ねる。すると野田は「庇ってない」「ただうるさかったから注意しただけだ」「ちゃんと自分で断れるようになれよ」「教室は握手会の会場じゃねぇんだぞ。」と冷たく言い放ったが…。
この漫画を最後まで読んだ人たちからは、「あまずっぺぇよ…」「最高です」「たまりません!」「ありがとうございました!」「運気は分からんが心拍数は上がる気がする」「ずっと2人で手繋いでて欲しい…」など多くのコメントが寄せられている。
小形さんの作品の着想は“失恋ソング”から
――『キミの手には』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
ただ人と握手することと、好きな人と手を繋ぐこと、手に触れるという行為は同じだけど気持ちは全然違うな、と思ったところからこのお話を思いつきました。
――冷たくみられがちな野田ですが、日向のことをよく見て支えている姿が非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
ヒロインの日向の「流されやすい女の子」を台詞だけでなく表情や仕草でも表現できるよう意識しました。特に表情の変化に注目していただけると嬉しいです。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
日向が野田くんの言葉を借りて必死に気持ちを伝えるシーンが気に入っています。
――普段作品のストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか?
音楽から着想を得ることが多いです。特に恋愛ソングを聴いていると、「キャラにこんな表情をさせたいな」「こういう表情を引き出せる状況ってどんな感じだろう?」
と色々浮かんでくるので、それを漫画にしています。
――作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか?
私は漫画を読んでいる際、キャラの目に視線が向くので「思わず見てしまう目」を描けるよう意識しています。
――今後の展望や目標をお教えください。
「可愛い女の子を描く漫画家といえばこの人」と名前を挙げてもらえるようになることが目標です!
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
自分が思う「可愛い女の子」を最大限の力でお届けできるよう頑張りますので、応援よろしくお願いします…!
作者X(旧Twitter):小形朱嶺
▼サンデーうぇぶりに掲載されている漫画『キミの手には』はこちら▼
https://www.sunday-webry.com/episode/3269754496589975683