コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、『心メンテナンス』をピックアップ。作者である漫画家のネコロスさんが、2024年9月10日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ、3.7万件を超える「いいね」や反響が多数寄せられた。本記事ではネコロスさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
ダメージを受けた心に寄り添う“心メンテナンス”
「〇〇ちゃんって彼氏いるの?」と聞かれて、心にグサッとダメージを受けてしまった女の子。そんな女の子が訪れたのは“心メンテナンス”だ。“心メンテナンス”では「心で心をメンテナンス」をモットーに、整備士さんが心をメンテナンスしてくれる。「最近傷つきやすくて…」と悲しそうな顔をしながら相談する女の子が持ち込んだのは、ハート型の“心”だった。
浮かない表情の女の子をよそに、「当店にお任せください」と頼もしい表情で心のメンテナンスを引き受ける整備士さん。針と糸、スパナといった道具をそろえた整備心さんは、「すんげーぼろぼろだ」「こりゃあやりがいあるぜ」とメンテナンスに勤しむ。
メンテナンスが終わった後、女の子は「〇○ちゃんって彼氏まだいないの?」と同じような質問をされる。しかし以前とは様子が変わっていて…。
この漫画を読んだ人たちからは「天才整備士さんや」「これ好き」「ココロも満タンに(笑)」「私もメンテしてもらいたい」「アフターケアまで完璧」「現実世界にもいて欲しいな」など多くの反響の声が寄せられている。
「心にも車みたいな安全装置があったらいいよね」というネコロスさんの思い
――『心メンテナンス』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
私自身がちょっとしたことで結構メンタルにヒビが入ってしまうので「心にも車みたいな安全装置があったらいいよね」→「そうだエアバッグがあるといいじゃん!」って思ったのがきっかけです。嫌なことがあっても心へのダメージを無効化してくれるような。心の車検みたいなものを人間必要だと思うんですよね。
――整備士さんの「こりゃあやりがいあるぜ」とやる気に満ち溢れている様子が非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
整備士さんは、以前SNSで話題になった「どちらの整備士さんにあなたの車を任せたいですか?」というイラストを意識しました。まぁデザインはなんでもよかったのですが、「とにかく心の取り扱いが好きすぎるプロフェッショナル」みたいに描きたかったです。思いの外このシーンが反響あったみたいで、少々複雑な気分でしたが…。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。
3コマ目の整備士さんの道具が意外とチープなところですかね。針とかスパナとか、「え…こんなんで心をメンテするんや」という感じが気に入ってます。自信満々な割に道具が雑だろ!みたいなツッコミがあるように描きました。
――普段作品のストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか?
「これを描きたい!」というふうに思って描くことがむしろあまりなくて。「何か描かなくちゃ」と思ってアイパッドを起動して、思いつくものを描く感じです。いろんな漫画とか映画とかを見ていたこともあるんですが、そこから着想を得ることはあまりないです。むしろ自動書記みたいなイメージが近いかもしれません。こっくりさん系漫画家です。
――作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか?
私は絵が全く得意ではありません。デッサンとかもめちゃめちゃ狂ってますし、いろんなポーズ描けませんし。ですが、「何を描いてるかが読者に最低限伝わればOK」と割り切ってます。要は絵は記号と思ってます。あと吹き出しの位置を、リズムよく読めるように意識しています。
――今後の展望や目標をお教えください。
単行本をいつか出せたら…と思いますが、紙媒体のイラストやちょっとした漫画のお仕事が来たら嬉しいなと思います(←KADOKAWAの担当さんを熱い眼差しで見つめながら)。あと、ずっと温めてる長編ストーリーものの4コマも世に出したいと思ってます。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
ある特定のジャンルに縛られたくないので、ギャグからシリアスまで幅広く描こうと思ってます。リプライにあまりお返事出来てなくて申し訳ないですが、感謝の気持ちを込めていいねを押してます。また、スランプで全然思うように描けなかったときも、温かいコメントを下さった昔からの読者さんには本当に感謝しかありません。これからも4コマにこだわって作品を描いていきたいので、どうぞよろしくお願いいたします。