コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、漫画家のばったんさんによる『駐在妻と隣の家の女の子の話』をご紹介しよう。
同作は、ドイツに住む「エマ」と隣に引っ越してきた日本人「アイ」の様子を描いた作品。ばったんさんのX(旧Twitter)に投稿されると、多くの人に読まれて約8000件もの「いいね」が寄せられている。そこで作者であるばったんさんに、『駐在妻と隣の家の女の子の話』を描いたきっかけについて話を伺った。
言葉が通じなくても心がつながれば…
エマは隣に引っ越してきた日本人の女性「アイ」が、時おりマンションのエントランスでタバコを吸っている姿を見かけていた。エマからすれば外国人のために「ちょっと怖い」という感情はあったものの、彼女に対して興味がわき、いつか話しかけてみようと思っていた。
そんなエマの学校生活といえば、周りの生徒から嫌な言葉を浴びせられて孤独の状態。ある時、エマはクラスメイトのハンナがオーストラリア人の留学生を迎え入れていることを知る。
下校中、道中にある「インビス(ドイツにおけるファーストフード店)」に差しかかると、隣に引っ越してきたアイが、うまく注文できなくて困っているところに遭遇。エマはアイの代わりに注文し、それをきっかけに2人は距離を縮めるのだった…。
エマとアイによる不思議な関係に対し、読者からは「今はつながっていない人でも大切にしたい出会いの思い出ってあるよね」「読後に心が温かくなる素敵な話」など好評の声が寄せられている。
ドイツ国内の様子は実体験がもとに描かれている
――『駐在妻と隣の家の女の子の話』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
私自身が駐在妻としてドイツに住んでいた頃に言葉の壁が本当に高く、強い孤独感を覚えたのですがその頃の私を救ってあげたい!という気持ちでこのお話を描きました。
――描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあれば教えてください。
キャラクターの表情はとてもこだわりました。特にアイの表情は物語の最初から最後でガラッと変えております。
――特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共に教えてください。
46ページ目にある、最後の2人の別れのシーンです。今までどうにか言葉で理解しようとしていた2人が視線のみで会話しています。ここには言葉の壁はあるけれど同じ人間であり、通じ合えるのは言葉のみではないという私自身の願いも込めました。
――作中ではドイツ国内の様子がリアルに描かれていますが、これはばったんさんの実体験にもとづいたものなのでしょうか?
実体験です。でもエマのような子には出会えませんでしたが…。でもドイツに来たばかりのころ、どうしても1人で買い物に行かなければ行けなかった際に店員さんが困ってる私に「頑張れ!(というようなこと)」を言ってくれたことがあり、その時の気持ちが、すでに回答した「ここには言葉の壁はあるけれど同じ人間であり、通じ合えるのは言葉のみではない」という願いにつながっております。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
漫画を読んでいただき嬉しいです!ド派手なおばあちゃんとクールなアラサー女性の仲良し漫画『そしてヒロインはいなくなった』もよろしくお願いいたします!