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“トラウマ級の恐怖”がパワーアップ…『エイリアン』最新作 新ヒロインの活躍ぶりに「令和版リプリー」「続編も見たい」の声

2025/01/08 11:10

“令和版リプリー”レイン(ケイリー・スピーニー)が活躍する「エイリアン:ロムルス」
“令和版リプリー”レイン(ケイリー・スピーニー)が活躍する「エイリアン:ロムルス」(C)2025 20th Century Studios.

1979年にアメリカで劇場公開され、大型宇宙船の中で強烈なクリーチャー“エイリアン”に人間たちが次々と襲われる恐怖を描き、大ヒットを記録した映画「エイリアン」。今でも根強い人気を誇る「エイリアン」シリーズの最新作「エイリアン:ロムルス」(2024年)が1月1日に配信された。シリーズ最新作だが、過去の「エイリアン」シリーズを時系列順に並べると、第1作の“その後の物語”にあたるストーリーということで、劇場公開前から注目を集めた今作。SNSでは新ヒロインの活躍ぶりを「令和版リプリー」と称賛する声が上がったかと思えば、元日に見る作品としては強烈なインパクトのある作品ということで、「正月からすごい映像!」というコメントも寄せられていた。(以下、ネタバレを含みます)

行き場を失う若者6人たちに容赦なく襲いかかるエイリアンの恐怖


物語の舞台は西暦2142年の地球から遠く離れた宇宙。人生の行き場を失った6人の若者たちが、生きる希望を求めて足を踏み入れた宇宙ステーション“ロムルス”だが、そこで彼らを待ち受けていたのは寄生した人間の胸を突き破り、異常な速さで進化する生命体“エイリアン”だった。“宇宙”という究極の密室空間で、果たして逃げ切ることができるのか――。最恐の敵“エイリアン”と対峙(たいじ)することとなった6人の運命を描いたサバイバルスリラーだ。

今作はシリーズ第1作を監督し“エイリアンの創造主”と言われるリドリー・スコット製作の下、世界中を恐怖に陥れたパニックスリラー「ドント・ブリーズ」(2016年)を生み出したフェデ・アルバレス監督が率いる新チームで製作を手掛けている。彼らは、シリーズの原点である初作「エイリアン」の“その後の世界”を忠実に再現するため、当時と同様にグリーンバックなしでの撮影やCG技術に頼りっ放しにならない手法を採用。

例えば、劇中に登場する宇宙船のセットや、人間たちを襲うエイリアンに至るまで、あらゆるものを自ら作り上げ、それを実際に使って撮影に挑んだ。そしてそこから生まれる映像の質感や、キャストたちにまるで本物のエイリアンに襲われるような感覚で演技を行わせ、鬼気迫る表情などを引き出していったという。

また、西暦2122年が舞台の第1作「エイリアン」、そして西暦2179年が舞台の第2作「エイリアン2」(1986年)の中間の時代を舞台としている今作。それらに比べてさまざまな技術が進化している現代に製作された作品だが、シリーズ第1作とほぼ同時代を描いているという設定から劇中に登場するコンピューターやキーボードのデザイン、登場人物たちの服装といった細かな部分まで同年代の世界観を感じることができる。そこにはアルバレス監督が持つこだわりの深さや熱量のこもった過去作品への愛とリスペクトが込められているのだろう。

「エイリアン:ロムルス」より
「エイリアン:ロムルス」より(C)2025 20th Century Studios.

“令和版エイリアン”はグロテスクさにも磨きがかかる


本シリーズといえば、現実世界では決してあり得ない、そんな未来を想像したくないほど不気味なエイリアンたちと直面していくSFホラー。一度見るとトラウマ級の恐怖を植え付けられることから、逃げ回る人間たちがエイリアンに襲われていく様は思わず何度も目を伏せたくなるシーンばかり。もちろん最新作でもクリーチャーの不気味な描写は健在であり、むしろパワーアップしているとも言える。

劇中で6人が最初に対面した「フェイスハガー」は、クモなどの節足動物のように複数の手足を持つ気色悪い化け物。素早い動きでナヴァロ(アイリーン・ウー)の顔面に襲いかかり、彼女の口内から管が伸びて出てくる様子はあまりにも気持ち悪く、思わず吐き気を催すほどのリアルな動きを見せてくれる。

その後、フェイスハガーに襲われた際に胚を産み付けられたナヴァロの体内は気味悪くうごめき、最後は胸部を突き破って飛び出してくるのが「チェストバスター」だ。第1作でも伝説と呼ばれる“名シーン”がこのチェストバスターが胸を食いちぎって体外に出てくるシーンで、最新作でもグロテスクさがパワーアップして登場している。劇場公開時には「絶対に胚の宿主になりたくない!」の声が多発するほど、誰もが決して望まない絶望的な“最期”であり、見応えのあるシーンだ。

一方でエイリアンに襲われるだけではなく、過去シリーズでエイリアンに立ち向かってきたエレン・リプリー(シガニー・ウィーバー)のように、最新作でも果敢にエイリアンと戦う主人公・レイン(ケイリー・スピーニー)の活躍も見どころの一つ。次々と仲間が命を落とす中、最後まで諦めずに戦う強いニューヒロインの誕生に「令和版リプリーだ」「覚醒した姿がかっこいい」「続編も見たい」など、多くのファンの心をつかんでいる。

本作で生き残ったキャストの“その後”を見たいと望む声も多く、監督が「エイリアン:ロムルス」の続編の製作に意欲を示すなど、まだまだ話題の尽きない「エイリアン」シリーズ。恐怖をグッとこらえて、最新作の魅力に触れてみよう。

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◆文=suzuki

「エイリアン:ロムルス」キービジュアル
「エイリアン:ロムルス」キービジュアル(C)2025 20th Century Studios.
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