横浜流星の演技に「魅入った」の声
「吉原に好き好んで来る女なんていねぇ。女郎は口減らしに売られて来てんだ。きつい勤めだけど、おまんま(食事)だけは食える。親兄弟はいなくても白い飯だけは食える。それが吉原だったんだよ!」。
蔦重はこの状況をなんとかしたいと、女郎屋や客に女郎を紹介する役割を持つ引手茶屋の主人たちに助けを求めるが、まったく相手にされなかった。次に、岡場所の“けいどう(取り締まり)”を奉行所に訴えるも同じだった。
そんなときに偶然出会った男に勧められ、老中・田沼意次(渡辺謙)の元へ。意次の屋敷に入ろうとしていた吉原の常連客の荷物持ちに強引にふんして屋敷に上がり込んだ蔦重は、意次に吉原の窮状を訴え、“けいどう”を願った。
すると意次は、岡場所や宿場が賑わっていることで国益も生んでいることや、女郎屋の主人たちの不当な取り分について諭したうえで、「吉原に客が足を運ばぬのは、もはや吉原が足を運ぶ値打ちもない場に成り下がっているのではないか」「人を呼ぶ工夫が足りぬのではないか?お前は何かしているのか、客を呼ぶ工夫を」と問い掛けた。
その言葉に蔦重の表情が変わった。蔦重は「お言葉、目が覚めるような思いがいたしやした。まこと、ありがた山の寒がらすにございます!」と感謝し、頭を下げた。茶屋の仕事を手伝うかたわら、遊女たちに向けた貸本屋を営む蔦重らしい言い回しで、サブタイトルを回収した。
のちに“江戸のメディア王”となる蔦重が目覚める瞬間。演じる横浜の優しさや強さを内包した演技が見事だった。
SNSには「魅入ってしまった」「演技が活き活き」「流星くんの演技力やっぱりすごい」と横浜への称賛のほか、「1年間見届けたいと思えた60分だった」「期待が膨らむ」という声も寄せられた。
◆文=ザテレビジョンドラマ部