
スターリング・K・ブラウン主演の新ドラマ「パラダイス」の第4話が2月3日に配信された。同作は、世界トップの著名人や有名人らが暮らす上流階級の穏やかな住宅街が、衝撃的な“大統領殺人事件”によって崩壊するクライムサスペンス。全8話の早くも半分が配信となり、折り返しに入ったところだが、このシリーズの肝は初週に配信された前半3話までに詰まっていると思う。そこで今回は、“大統領殺人”だけではなく、第1話ラストの“どんでん返し”の衝撃についても触れた上で、見どころを振り返ってみたい。(以下、ネタバレを含みます)
誰が大統領を殺したのか…では終わらない衝撃
国家最高機密情報担当の捜査官・ザビエル(ブラウン)は、大統領の凄惨な殺害現場の第一発見者となり、容疑者として追及されることに。疑いをかけられた彼は、次第に不穏な捜査に巻き込まれていく――。謎が謎を呼ぶ怒涛(どとう)の展開。しかしその「怒涛」は決して圧たっぷりに迫ってくるのではなく、ごく静かな足取りでやってくる。
全8話ながら初週に「ワイルドキャット・イズ・ダウン」「シナトラ」「ジ・アーキテクト・オブ・ソーシャル・ウェル=ビーイング」の計3話が配信。2月4日に第4話の「エージェント・ビリー・ペイス」が追加され、11日に予定されている第5話からストーリーは折り返し地点に入る。第3話まででストーリーの概略を伝え、第4話からは各キャラクターをより深彫りしていく内容がより本格化するのだろう、という印象を受けた。
ここで物語の概略を簡単に振り返ってみたい。まず、世界的著名人や有名人らが暮らす上流階級の住宅街で、衝撃的な殺人事件が起きる。それは大統領の「惨死」だった。第一発見者となったのは、国家最高機密情報担当の捜査官であるザビエル。「第一発見者」ゆえに容疑者として追及されてしまい、不穏な捜査に巻き込まれていく。謎の番号「812092」が示すものとは――。
そうなると見る側としては「真犯人は誰なんだ?」という関心に傾いていくわけだが、ここまではいわゆる普通のサスペンスドラマと大きく違いはない。しかし「パラダイス」における大統領殺害は巨大な陰謀の第一章にしか過ぎず、相当な「膨らみ」を持っていて、さまざまな方向に関心をそらしてくれる。
大統領とザビエルの生前のシーンはもちろんのこと、やや謎めいた講演会、互いに好意を持っているであろう子どもたちの「青春」というべき風景、不倫など、「こういうシーンがあるということは、これも謎解きのファクターの一つなのだろうな」と見る者に思わせる描写もたっぷり盛り込まれている。

第1話ラストで「パラダイス」とは?の“答え合わせ”も
また、「パラダイス」とは何を意味するかという予想も初回の配信が始まる前に気になった部分だが、第1話ラストのどんでん返し的な部分で見えてくる。
実は事件が起こった「住宅街」というのは、人類絶滅の時に備えて地下に造られた人工の“楽園”なのだ。「まさかそんな展開が?」と驚きつつ、地下好きの私は半村良のSF小説「楽園伝説」に出てくる地底の楽園・アガルタを思い浮かべた。音楽ファンにはマイルス・デイヴィスの傑作「アガルタの凱歌」を通じても知られているであろう、アガルタである。
さらに吉田戦車のマンガ「ぷりぷり県」も思い出した。ぷりぷり県は地上より地下が充実していて、「地下富士」という標高1200メートルの山が聳え立ち…いや、聳え下がっている。それらは考えるだけで愉快になるのだが、今回の「パラダイス」の“パラダイス”は愉快ではない。
選ばれた人間だけが入ることのできる、ということは「移住できないために絶滅を免れる機会を持てない人間」もいるということになる。そして選ばれた者とて、誰も今後に明確な展望を抱くことができない空間という印象を受ける。この地下空間と大統領の死にどんな関係があるのかは、徐々に明らかになるはずだ。
https://www.disneyplus.com/ja-jp/series/paradise/
▼ディズニープラス特集ページはこちら
![ブラックパンサー 4K UHD MovieNEX(3枚組) [4K ULTRA HD + 3D + Blu-ray + デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールド]](https://m.media-amazon.com/images/I/61ZCdRDIL2L._SL500_.jpg)
Happinet





























