
芳根京子が主演を務めるドラマ「波うららかに、めおと日和」(毎週木曜夜10:00-10:54、フジテレビ系 /FOD・TVerにて配信)の演出を務める平野眞氏、宋ハナプロデューサー、原作担当編集・福島千尋氏が、6月21日に都内で開催された「最終話目前!ドラマ×原作スタッフトークイベント」に出席。ドラマ化の経緯についてや撮影秘話などを語った。イベント中、サプライズで江端瀧昌役の本田響矢も登壇し、会場を沸かせた。
交際ゼロ日婚からスタートするハートフル・昭和新婚ラブコメ
同ドラマは、西香はち氏による同名コミックを実写化した、昭和11(1936)年を舞台に交際ゼロ日婚からスタートする、歯がゆくも愛らしい“新婚夫婦の甘酸っぱい時間”を丁寧に描いたハートフル・昭和新婚ラブコメディー。ドラマオリジナルストーリーを交えつつも、原作の世界観を最大限に生かし、実写だからこそ表現できる、江端なつ美(芳根)と瀧昌の温かくも甘い空気を繊細に映し出していく――。
放送のたびに視聴者をときめかせ、ほっこりさせてきた本作も残すところ最終話のみ。あらためて、ドラマ化しようと思ったきっかけについて、宋Pは「なつ美と瀧昌が出会って、絆を深めて夫婦になっていく姿を季節の変化とともに丁寧に描かれている中で、所々いとおしい2人の様子がちりばめられていて、読んでいてキュンキュンする漫画だなと。昭和11年という時代背景も相まって、今を生きるわれわれが忘れかけている何かを感じさせるものを持っていたので、実写化をお願いしました」と打ち明けた。
また、平野監督も「昭和11年というのが僕の母が生まれた年で、一応母に聞いてみたんですけど、さすがに生まれたばかりで何も覚えてなかった」とおどけながら、「生活様式を表現できることにワクワクして。何よりスマホがないというのが一番いいなと。ドラマって今スマホがダメにしているじゃないですか(笑)。いつでも連絡が取れるし、ああいうのがないというのがすごくうれしくて、ワクワクしながら撮っていましたね」と、便利過ぎる今の世の中にはない“ドラマ性”を表現できるのも本作の魅力の一つであるとした。

“朝ドラ”と時代被り…小道具や衣装の取り合いに?
一方、原作の企画から携わっているという担当編集・福島氏は、ドラマ化のオファーを受けたときのことを「めちゃくちゃ光栄で、西香さんと『うれしいですね!夢みたいですね』ってお話していたんですけど、漫画のメディア化は主に実写化とアニメ化があって、(原作者サイドからすると)実写化はよりどんなものになるのか予想がつかないところが大きいので、喜びきれないところもあったんです」と素直な思いを吐露し、「でも、顔合わせのときに監督が『当時の生活をちゃんと描きたい』とおっしゃってくださって。原作でも(当時の生活など)調べるのが大変なところも頑張って入れていこうと作っていた作品なので、そういう部分もくんでくださっている監督のお言葉を聞けて、西香さんと『これは素晴らしいものになるのでは』と期待も膨らんで、めちゃめちゃうれしかったです」と、制作陣を信頼して共に歩むことになった経緯を紹介した。
昨今、昭和初期を描くドラマは決して多いわけではないものの、たまたま放送中の連続テレビ小説「あんぱん」(NHK総合ほか)が、ちょうどその頃を描いていたこともあり、偶然の被りが当時の日常生活を描く上で困ったこともあったとか。平野監督が「NHKと被っていたんですよね(笑)。美術さんが『今、NHKに取られていてどうしても(当時の家電や日用品など)手に入りません!』っていうのが、ありましたね」とこぼすと、宋Pも「(衣装の)着物もそうでしたね。同じ時代で、お互い着物の取り合いじゃないけど(笑)。そういうのもありました」という、今では貴重な品を扱う映像作品ならではの制作裏話も飛び出した。





























