世間的なイメージから外れたオードリーを堪能できる『オドぜひ』

ーーオードリーさんは他にも多数の冠番組を持っていらっしゃいますが、富田さんが思う「この番組ならでは」のオードリーさんの魅力はどこにあると思われますか?
普段は若林さんが番組を回していくことが多いと思うんですが、この番組は春日さんが回すこともあって、どちらも面白いんです。かつ世間一般では春日さんがボケで、若林さんがツッコミと言われていますけど、それもうちの番組には当てはまらない。
もう1つは若林さんってセンス芸人の代表みたいな存在で、たしかに「すごいこと言ってるな」って感心することもあるんですが、意外に良い意味で幼稚なボケやツッコミをすることもあるんですよね。そういう普段とは違う一面を見れるのも、この番組の魅力だと思っています。
ーーそういう素に近いオードリーさんを見れるのはスタッフさんとの信頼関係があってこそだと思うのですが、どんな関わり方をされているのですか?
いや、それは僕の方が知りたいですね。他局のオードリー担当のスタッフに「いつもどうやってるんですか?」って聞きたいくらいです(笑)。僕たち、本当に喋らないんですよ。ましてや、番組に関して熱く語るなんてことは今まで一度もないです。
僕も人付き合いがあまり得意ではないので、普段からタレントさんとの距離感が近いわけじゃないんですが、それに輪をかけておふたりとも人見知りなので、距離が縮まりっこないんですよ。ただ、この番組って隙だらけじゃないですか。だからオードリーさんも気負わず、隙を見せてくれるのかなとは思いますけどね。
ーーそのほどよい距離感がオードリーさんにとっても心地良いのかもしれないですね。
それに関してはオードリーさんに聞いてみないとわからないですね。本人たちは何も言わないけど、もしかしたら「もう少しちゃんとしてもらわなきゃ困る」とか思ってるかもしれないし(笑)。
中京テレビの番組が全国的に人気を集める理由は?
ーー『オドぜひ』はTVerでも配信されていますが、反響はいかがですか?
しっかり分析したことがないので、反響については分からないんですが、視聴環境はこの10年ですごく変わったなと思います。TVerだけじゃなく、YouTubeにも公式チャンネルを開設して番組の一部を配信しているんですが、それは単純に当時はローカル番組だったので全国の人に見てほしいなという気持ちからでした。そしたらいつの間にやらプラットホームが増えて、戦略的に使っている番組さんも多くなったので、先駆的な番組みたいに言っていただけることもあるんですが、僕たちはそこまで深く考えていなくて。今も全国から反響が届いて嬉しいなというくらいの気持ちです。
ーーTVerをはじめとする動画配信サービスの普及で、番組を全国の人に届けられるようになったことは、どのように捉えられていますか?
僕はテレビ局の人間ですけど、もう世間の人はあまりテレビを見ていないことは分かってるんですよね(笑)。ただ、どこまで言っても地上波が主力のビジネスではあるので、「配信で見てもらえればいいや」とは思っていないんです。どちらかと言えば、配信は見逃し用に。できれば、地上波でリアルタイム視聴してほしいなという思いは正直あって。なので、特に配信を意識した番組づくりはしていないんですが、新しいファンを獲得できるチャンスとしては捉えています。たまたまTVerで出会って、面白かったから次からは地上波で見てみようかなって思ってもらえたら一番嬉しいですね。
ーー中京テレビさんは『オドぜひ』のほかにも、『オモウマい店』や『太田上田』など全国で人気の番組を多数抱えていますが、富田さんはその理由についてどう考えていますか?
一つ挙げるとしたら、ローカルならではの泥臭さですかね。潤沢な制作費と人材があるわけではないので、キー局のように分業制で効率よく番組をつくるシステムは取れない。例えば、『オモウマい店』なんかはリサーチから取材、編集まで全てほぼ1人の人間がやってますけど、キー局だと絶対にやらないですよね。その前身番組の『PS純金』は僕もかつて担当していたんですが、とにかく足で稼いでました。お店の人と深い話をして仲良くなって…みたいな。そういう精神が中京テレビ全体にあるような気がします。要はアナログなんですよ。そこがたまたま視聴者の皆さんに刺さっているのかなと思います。
ーー今後、富田さんが挑戦したいことを教えてください。また合わせて、番組のファンに向けたメッセージをお願いします。
オードリーさんが『オールナイトニッポン』であれだけ大きいイベントを開催しているので、うちの番組でも何かイベントをやれないかなとは密かにずっと思っています。でも、基本はあまり無理せずって感じですよ(笑)。日本の人口が1億人いることを考えると、まだまだネタは余っていると思っているので、番組を長く続けていくことを目標にゆったりやっていきたいです。番組に出演してくださる方と視聴者の皆さんには、本当に感謝しかないですね。これからもどうぞよろしくお願いします!
■取材・文=苫とり子

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