
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、くらげバンチで連載中の『それでも、親を愛する子供たち(原作:押川剛 構成:鈴木マサカズ 作画:うえのともや)』をピックアップ。
作画のうえのともやさんが第13話にあたる『【タイガーマスク運動】寄付するときの名前は「伊達直人」』をX(旧Twitter)に投稿されたところ、2,000件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、構成の鈴木マサカズさんと作画のうえのともやさんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
児童養護施設に偽名で寄付する深い理由とは…

児童養護施設にはさまざまな物が寄付として送られてくる。職員たちが話し合っていると、園長がある男性の話を語り始める。その男性は「伊達直人」。タイガーマスクの本名を使い、匿名で多額の寄付をしてくれる。しかし本名を名乗らず陰から施設を支援する裏には深い理由が隠されていて…。
『それでも、親を愛する子供たち』には児童虐待、育児放棄、ネグレクトなど大人に心身ともに傷つけられた子供たちが登場する。児童養護施設を舞台に現代の闇に切り込む本作には「ままならない」「他人事ではいられない」「不自由なく大人になった人にこそ読んでほしい」など大きな反響が寄せられている。
2025年5月には第3巻が発売されたばかり。また、鈴木マサカズさんが同時に手掛けるノンフィクション『「子供を殺してください」という親たち』も見逃せない。
どの問題も他人事ではない

――社会問題を題材にした『それでも、親を愛する子供たち』を漫画にするうえで難しかったこと、気をつけたことはありますか?
鈴木マサカズさん(構成):作品全体の細かいディティールです。その点は原作者の押川剛氏や担当さんと常に確認しあって進めています。児童養護施設で育った人などにリアルだと言っていただけるととてもうれしいです。
うえのともやさん(作画):作画に関して、児童虐待など残酷なシーンも多く出るので、どこまで生々しく表現するのか、「見せすぎない」こととのバランスには気をつけています。
――鈴木さんはノンフィクション作品のコミカライズを多く手掛けていらっしゃいます。本作はノンフィクションではありませんが、制作するうえでいつもと違った点はありましたか?
鈴木マサカズさん:『それでも、親を愛する子供たち』に関しても他作品同様に綿密な取材をして描いていますので、フィクション要素がその妨げにならないこと、あくまでフィクションがベースにあってのノンフィクションであることを強く意識しています。
作りすぎないこと。
――本作は育児放棄、児童虐待など子どもに起きている深刻な問題をテーマにしています。社会問題を題材にした漫画を描くうえで、うえのさんがこだわっていることがあればお教えください。
うえのともやさん:誰にでも身近な社会問題であることを感じてもらえるよう、人物も背景も作り物に見えないようなリアルさが出るように心がけて作っています。
登場人物と同じような体験をした方や、職業として関わっている方なども読んでいただいているので、キャラクターの表情などとにかく深く表現できるよう心がけています。
――現在連載中でお忙しいと思いますが、今後手掛けてみたいジャンルやテーマがあればお教えください。
鈴木マサカズさん:取材を必要とするタイプのリアルなホラーサスペンスは一度チャレンジしてみたいです。あとはエッセイ漫画もやってみたいです。原作という仕事にも興味があります。こちらもいつか実現したいです。
うえのともやさん:社会問題もそうですが、やはり誰の身近にもあるようなリアルなテーマを扱えたらと思います。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
鈴木マサカズさん:『それでも、親を愛する子供たち』をはじめ、『「子供を殺してください」という親たち』や『ケーキの切れない非行少年たち』『教育虐待―子供を壊す「教育熱心」な親たち』など、いつも読んでいただきありがとうございます。
これらの漫画が提示する問題は絶妙に繋がっているように思います。そういう意味では、どの問題も他人ごとではない、すぐ隣にあるできごと。常にそのような気持ちで作品作りに取り組んでいます。これからもよろしくお願いします!
うえのともやさん:児童養護施設を舞台にした漫画は多くないので、普段なかなか知ることの出来ないエピソードなど、これからまだまだ続きます。
今後ともよろしくお願いします!
この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。
『それでも、親を愛する子供たち』を読む
■原作:押川剛さんX(旧Twitter):押川剛[@King_of_Settoku]
■構成:鈴木マサカズさんX(旧Twitter):鈴木マサカズ[@suzukimasakazu]
■作画:うえのともやさんX(旧Twitter):うえのともや[@uetomo117]
■くらげバンチで作品をチェックする:『それでも、親を愛する子供たち』




























