浜野謙太が“ファンク”じゃない⁉「男の操」で目指せ紅白!
不思議な状況を怖がり過ぎない
――純子はすでに亡くなっていながら、病床で残した大量のビデオメッセージを通して、みさおやあわれと会話を繰り広げるという特殊なキャラクターですよね。演技する上で気を付けたのはどんな部分でしたか?
ビデオの中の純子と、まるで生きているみたいに会話をするので不思議な感覚でした。でも、ふと「これはビデオだよ」と言うようなせりふもあるので、監督と「どういう温度感で会話したらいいですか?」という相談を何回かしました。
純子が「紅白出ろ~!」と怖い感じでビデオの中からみさおとあわれに言ってくる場面があるんですが、そういう時にせりふでは「ぎゃーーー!」って書いてあるんです。でも「本当に怖がらないでください」と言われて。
状況が不思議ではあるんだけど、純子のことを受け入れ過ぎても、受け入れなさ過ぎても面白くないので、バランスが難しかったです。そこは細かく絶妙なところを演技するようにしました。
――あわれを演じている粟野さんと相談することもあったんですか?
いや、演技の話をしてくれないんですよ。「あなたはあなたの演技をして」って言われました(笑)。ちょっとした空き時間にお芝居を練習させてってお願いしたら「やだ。パパ上ちゃんと覚えてきて? 10回練習してね?」って言われたりして、彼女は自立した女優さんでした。
そんなふうに、演技に入るとせりふも完璧だし、料理もできたりしてすごいのに、カットかかると普通に子供なんですよ(笑)。それがかわいいなと思いました。そういう咲莉ちゃんと接するのも楽しかったです。
――実生活でも2人のお子さんがいますが、あわれとみさおの関係のように応援されているんですか?
そうですね。この子たちに支えてもらっているなという感覚がすごくあります。
最近は、ドラマの撮影もライブもあるので、子供が寝ているうちに家を出て、寝た後に帰るような生活なんですけど…。
でも先日、ライブを夜遅くまでやって、ちょっとお酒も飲んで夜中に帰ったら息子が突然起きてきて抱き締めてくれたんです。子供が僕に会えていないことを気にしてくれている気持ちを感じて、なんだか不思議でした。「ありがとう」ってすごく思いましたね。
みさおに関して言えば、ちょっとあわれに支えられ過ぎていますけど(笑)。でもそのくらい子供の方が分かっていて支えてくれていることもあるのだろうなと思いますね。
ドラマの中で、実生活の僕の子供との接し方が現れる部分もありました。
参考にしたのは演歌界のナイスガイ!
――演歌を歌う上で、同世代の歌手の方を参考にしていたんですか?
はい。もう三山ひろしさんばっかり聞いていて、現場では三山さんの曲がずーっと流れていました。歌い方もいいんですけど、彼は立ち居振る舞いもナイスガイなんです。
それに、僕の好きなジェームス・ブラウンに見えなくもないんですよ。ちょっと顔の濃さがジェームス・ブラウンぽくて。
――歌唱指導では、具体的にはどういったことを言われましたか?
僕はバンドで“ファンク”をやっているので、洋楽寄りの発声なんです。歌唱指導の先生に、「まずはそれをゼロにしてください」と言われましたね。結構、厳しく歌い方を矯正してくださいました。「まだファンク出ちゃってる」って言われながら(笑)。
その後は、「青空だったら青空を見て、月に向かう時は月に助走をつけて行く感じで」っていうこととか、「ここまでは自分の嘆きだけど、ここからはお母さんからもらったお話だからほっこりする」など、歌詞を分析しながら世界観を表現するということを教えていただきました。
歌唱のテクニックでいうと、演歌の“い”は引くんです。ただ、引くだけじゃなくて「過去に引っ張られながら」歌うっていうんですよ。そういう演歌の感情を乗せる歌い方はすごく面白いなと思いました。
最初、「歌に真心を込める」と言われても全然分からなかったんですけど、そういう指導をしてもらいながら、何となく言っていることが分かってきました。
日本語の響きや言葉をしっかり伝えるという“姿勢”のことなんだろうなと、今はそう思いながら歌っています。
キャスト全員がその指導を受けているので、歌のシーンは皆さん楽しみにしていてください。
毎週日曜夜10:00-10:50
NHK BSプレミアムで放送
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