
絹子「自分の幸せは、自分で決めればいい」
消灯時間になってもパッドで欲しい物を探している絹子の元にやって来た南は、そのまましばらくおしゃべりに興じた。南が、絹子を「物欲女王」とからかうと、「当たり前じゃない!」と返答が。おいしい物が食べたい、きれいな物が欲しい、面白いことがしたい、と思うのが“人間”ってものなのだ、と絹子は人生論を語り始めた。もっと生きたい、もっと幸せになりたいと思うのは当然で、その“幸せ”はささいなことでいいのだ、と。そして「自分の幸せは、自分で決めればいい。他人にとやかく言われる筋合いは無い!」と言って笑顔を見せた。
熱弁した絹子は喉が渇き、シャンパンが飲みたいと言った。患者にシャンパンを飲ませる看護師は居ない、と笑って、他の飲み物を取りに部屋を出た南を、絹子は元気いっぱいに見送った。そして、南が水を持って部屋に戻ると…絹子は永遠の眠りについていた。
自由奔放で想いのままに生きていた絹子に好感を持っていた視聴者は多く、あまりにも突然な別れにショックを受けて涙が止まらなくなったとのコメントがいくつもポストされた。
南「北くんは、居なくなんないでね…」
絹子との急な別れに、南の後輩看護師・松宮(高塚大夢)らも辛い気持ちを隠せない様子だったが、南は無表情で淡々と絹子が去った部屋を片付けていた。彼女は帰宅後、北くんに声もかけずに1人で屋上へ向かった。東子に電話して様子を尋ね、「お母さん、大切にね。体が一番大切だからさ」と言って電話を切った。様子が気になったのはもちろんだが、東子の声が聞きたかったのだと思う。普段はライバルとしていがみあってばかりだが、南にとって東子は親友以上のかけがえのない存在なのだろう。
そして南は、銀座に寄って買ってきたバクラヴァを一口かじった。すると、「自分の幸せは他人にとやかく言われる筋合いは無いわけ!」と言った絹子の笑顔が浮かび、これまで押し殺していた感情が噴き出した。「甘すぎるっつーの」と嗚咽しながら、絹子に買ってもらうはずだったバクラヴァを食べ続けた。南のつらさがこちらになだれこんできて、胸が締め付けられて涙が止まらなくなった視聴者も多かったようだ。
リビングに南のバッグがあるのを見た北くんは、いつもなら大声で帰ってくる彼女が静かに、そして自分に声もかけなかったことに異変を感じた。彼は屋上で泣きじゃくる彼女を見つけ、「どうしたの?」と優しく声をかけた。南に「北くんは、居なくなんないでね…」と泣きながら言われた彼は、それまでの優しい笑顔からとてもつらそうな表情に変わり、返事のかわりに南を強く抱きしめた。それはいつもの癒しのハグではなく、どこか自分の不安もかき消したいと思っているようなハグだった。

それぞれが迎えた局面…
南は、次に出勤した際、絹子が居た病室の前を通れば、当分つらい想いをするだろう。看護師としては避けられないこととは言え、絹子の存在は特別だったはず。南はこのまま仕事を続けられるだろうか…。また、東子もいつ実家から帰ってこられるのか。父親が自立しない限り、母が心配で帰れないのではないのだろうか。場合によってはシェアハウスを去ることも視野に入れなければならないかもしれない。ナレーションでも言っていたように、それぞれが局面を迎えている。
今回は、親や大切な人との別れがいつ来るかわからないことを痛感させられた。そして、絹子の「自分の幸せは自分で決める」という言葉が刺さった視聴者も多く、「胸に刻んで生きていきます」などのコメントも散見された。
そして次回、ついに北くんの過去も明らかになるようだ。以前は今とは全く違うやんちゃな性格だった彼が、何故変わってしまったのか…。北くんを恨んで怪文書をバラまいていた少女の登場で、彼も大きな局面を迎えるようだ。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
※高塚大夢の高は正しくは「はしご高」



































