<世界陸上>織田裕二&今田美桜が大会への期待感を告白 熾烈な代表争いに「東京開催だし何とかならない?」と本音
ハードル競技は予選から必見
――今大会は東京開催ということで、初めて世界陸上を見るという方もいると思いますが、そんなビギナーの方に「この競技は見てほしい」とか、「全部見るのは難しいけどこの時間だけは見た方がいい」といった観戦のポイントを教えてください。
織田:競技によってなんですが、「準決勝が面白い」という競技もあるんです。例えば100mもそうですし。「決勝だけ見ればいいや」というのは大間違いで。100mに関しては絶対に準決勝を見るべきなんです。
準決勝は、選手たちが決勝以上の気持ちで臨んでくるんです。トップ選手たちの力が拮抗していると、なおさら準決勝で「あの選手がここで落ちた!」っていうことがあって。やっぱり決勝には8人しか残れないので、「えっ!」ていうことが起きるんです。ちょっとしたミスでも取り返しがつかないのが100mの世界ですし。
もっとすごいのがハードル競技ですよね。これは本当にミスが許されないし、一方でミスが起きやすい競技でもあって。極端に言えば、僕はハードルは予選から見てほしいくらいです。予選を見れば「決勝はこれくらいのタイムは行くだろうな」ってわかるので。
100mとかは、予選で最後流して走る選手がいるじゃないですか。でもハードルは見ている限りそういうことがない気がするんです。力を抜くところがないというか。なので予選を見ていると、結構決勝の顔ぶれが想像できるし、「誰が勝ちそう」とか「誰が調子良さそう」というのがわかるんです。そこは必見かもしれないです。
――競技を見る際に「選手の表情に注目している」とか、「飛越する時の足に注目してほしい」とか、そういったポイントはありますか?
織田:個人的には、「この選手」って決めた選手を追いかけたりします。いわゆる“推し”の選手がいるんですが、大体その選手のライバルがいるので、その人たちだけを見ています。でも、気になる選手が他に現れたりもするので。その予想外も面白いというか。それぞれのドラマが、回を重ねるとちょっと思い出されたりもするので、そんな楽しみ方をしています。
あとは各選手のコーチですね。今回は東京での開催なので、ヨーロッパでやるのとは天候的にも違ってかなり難しいと思うんです。アメリカは層が厚いので、100mと200mで選手を分けてくるかなとか、でもライルズは絶対両方やりたがるだろうなとか、選手の個人的な思いとコーチが立てたい作戦とのせめぎ合いもあるのかなと。
アメリカは選手層が厚い分それができちゃいますけど、例えばカナダだとなかなかそうもいかないので(アンドレ・)ドグラスあたりに両方走ってもらうのかなとか(笑)、そうした各国の駆け引きも出てくるのかなと思います。なので今大会は、コーチたちの立てる作戦も気になっています。
コーチと選手の関係性にも注目
――今田さんは「この競技を生で見てみたい」など、間近で見ることを楽しみにしている競技はありますか?
今田:棒高跳びは実際どれほどの高さなんだろうと思いますし、「6m以上跳ぶってどういうことなんだろう?」って感じがします。同じ人間だけど、やっぱり“超人”の皆さんだからこそできることだと思うので、そのあたりが気になっています。
部活で陸上をやっていた頃、棒高跳びをやっている子を見たことはあったんですけど、当然レベルは違うので近くで見てみたいです。当時、私もポールを持ったことがあるんですけど、ポールを(ボックスに)さすのがもう…。
織田:(ボックスのサイズは)小さいんですよね。あの重たい棒を持って全力で走ってきて、あんなに小さいところにさすって、それだけでも難しいんじゃないかって思います。
今田:私はさせたこともないので(笑)、あれだけ早く助走をつけてピンポイントにさして跳ぶっていうのが、テレビで見ていてもびっくりしちゃいます。
織田:棒高跳びは陸上で唯一複雑な種目だなと思っていて。他は「走る」とか「跳ぶ」とかシンプルでわかりやすいんですが、棒高跳びはベクトルが変じゃないですか。横に行って縦に行って最後(ポールがしなって)「おにょん!」って行くっていう(笑)。ああいう立体的な動きは唯一だなって思います。
今田:ポールで上がっていくのもどう調整されているんだろうなって思います。
――その他の競技でも、今田さんが注目している選手がいらっしゃれば教えてください。
今田:本当にどの競技も楽しみなのですが、私は久保凛選手がすごく気になっています。いろいろな競技を見させていただく中で知ったのですが、まだ高校生ですし、自分よりもこんなに若い子が活躍していることに衝撃を受けました。どんな走りを見せてくださるのか楽しみにしています。
――海外選手で言うと、今田さんは400mハードルのカルステン・ワーホルム選手が気になっているそうですね。
織田:ワーホルムにハマっちゃいました?
今田:ハマっちゃいました(笑)! (レイフ・)オラフコーチとの関係性もすごくすてきだなと思いますし、オラフコーチも生で見られるかもしれないですよね。そういう今までにはなかった楽しみ方を今回できているので、ワクワクしています。
織田:そういう意味では、北口(榛花)選手と(デイビッド・)セケラックコーチとの関係も面白いですよね。本当に北口選手の表情がわかりやすいので。「調子悪いどうしよう」っていうところから、うまく行った時のあのギャップはすごい魅力的だし、コーチと話している間の表情も面白いと思います。
今田:どの瞬間も目が離せないですね。
織田:普通選手は表情に出さないようにするものですけど、あれだけ感情を表に出して勝っちゃうんだから、本当に北口選手は見ていて楽しい選手です。けがもあったので心配ではありますけど、どうなるのか楽しみです。…話し出すと長くなっちゃいますね(笑)。
今田:ずっと聞いていたくなります。
織田:オーストラリアの17歳で、ガウト・ガウトという速い選手がいるんですけど、彼も200mで代表入りしたみたいで。彼のこともこっそり楽しみにしています。
まだ決勝には行けないかもしれないけど、この先10年の間に絶対出てくる選手だと思うし、久保凛選手もそうだし、そういう若い選手を今見ておくのも面白いと思います。今の時代、情報が取りやすいと思うので、先に“推し”を自分で作っておくのも手かもしれないですね。
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