レイチェル・リー・ゴールデンバーグ監督 インタビュー
ーーこれまでにも女性のエンパワーメントを描いた作品を数々手掛けられていますが、今回ホイットニー氏の人生に着目したきっかけは何ですか?
ホイットニーの話を知った時、まだ映画化されていないことが信じられませんでした。この物語は、スケールも大きく、数々の偉業と壊滅的な失敗、そして数十億ドルが絡んでいる。とても映画的で、エキサイティングで、圧倒的なスケール感があると感じました。
同時に、彼女が職場環境の苦境を乗り越え、違うやり方に挑戦する姿は私自身にも強く響きました。プロフェッショナルな世界で生き抜こうとする女性として、人々に公平であろうとしながら、どう成功するかを模索するんです。それは、ちょっとした旅のようなものでした。
ーー監督として、本作で特に描きたかったテーマやメッセージは何ですか?
中心となる最大のテーマは、個人の選択がどのように文化を形作るかということです。人々が、たとえ欠点があっても、現在の文化の中で働き、それを永続させるのか、それとも変化を起こすのかを選ぶ。自分のあらゆるものをリスクに晒してでも正しいことを行うのか、というこの緊張感こそが、私が本当に探求したかったものなのです。
また、多くの人々が何らかの形で、職場で被害を受けていることに共感できるはずので、そうした現実を非常に地に足がついた、リアルな形で描くことが重要だと思いました。
ーー主役にリリー・ジェームズをキャスティングした理由を教えてください。
私は以前から彼女のファンでした。彼女が「パム&トミー」でパメラ・アンダーソンを演じたときは、特にとても感動しました。それは本当に興味深く、勇気ある演技だと思いました。
彼女が、この映画でホイットニー・ウルフを演じたいと言ったときはとても興奮しました。彼女は私と一緒に、ホイットニーに関するあらゆる資料を読み、ビデオを観て、本当に深く掘り下げるなど、彼女のリサーチは徹底していました。私は、この映画で真のパートナーを得たと感じました。
ーープロデューサーとしてのリリーはいかがでしたか?特に印象に残っている出来事はありますか?
プロデューサーとして彼女は、まるで、ホイットニー・ウルフ本人がやってきたかのようでした。脚本から撮影、ポストプロダクションに至るまで、彼女は常に私のそばにいてくれて、音楽の提案までしてくれたんです。
共演のダン・スティーヴンスや他の俳優をキャスティングするために、自ら俳優に連絡を取ってくれました。私と一緒に、すべてを成し遂げる上で、彼女は不可欠な存在でした。
ーー今回のように実在の人物を描く場合と、完全にフィクションの作品を作る場合とでは、脚本作りや演出上でどのような違いがありますか?
実在の人物を題材にした映画を作ることは、非常に大きな責任を伴います。私はこの責任を非常に重く受け止め、大きなプレッシャーを感じると同時に、これまでとは異なる方法で正しく描きたいと強く思いました。そのため、可能な限り徹底的なリサーチを行う必要がありました。
自分がどんな物語を語ろうとしているのかを確実に理解するために。フィクション作品とは違って脚本を書き始める前に全く別のプロセスが必要になるんです。
ーー出会い系アプリについてどういうことを学びましたか?
長年同じパートナーと付き合っているので実際に自分でアプリを使ったことはなかったんです。それでアプリが生まれた経緯を学び、これまでの歴史を振り返ると、今では本当にどこにでもある存在で、「独身なら当然デートアプリを使っているだろう」という一般感覚を学びました。
でも当時の2012年を振り返ると、まだ全然一般的ではありませんでした。クールなものではなくて、むしろ社交的に苦労している人々のためのものと見られていました。今や私たちの文化に欠かせない存在としてマッチングアプリを定着させたTinderの手法を改めて振り返るのは、本当に驚くべきことでした。
ーーあなたは、監督、プロデューサー、脚本家として活躍されていますが、どのお仕事が一番好きですか?
間違いなく監督をしている時が一番幸せです。脚本を書く事も、自分が監督したい作品に辿り着くための手段なのです。だから、監督以外の仕事の時も、すべてのことに監督的な視点からアプローチしています。
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Happinet

























