匿名性が信頼されている
――この番組だけに皆さんが話してくれる理由って、何だと思いますか?
YOU:来てくれる人たちも、経験や思考がちょっと人と違うと認めているところがおありになるのかもしれないですね。だから、割と皆さん話すお気持ちがあるというか。
もちろん、スタッフさんたちがちゃんとその人たちとコミュニケーションを取ってから、番組に呼んできてくださるので、皆さんここに来ていざとなるとわーっとしゃべってくださいますね。
山里:はい。最初は、けんかしたい、怒ってやりたいくらいの気持ちで収録に行くんですけど、本当に誠心誠意なんでもお話してくださるので、「なんか…良いやつだな」って最後には思いますね。
YOU:本当に、「薬物…やっちゃおうかな」って思うくらい(笑)。すごい正直に話してくれるんですよね。実際会うと、どんなサイコパスでも愛情が生まれるんですよ。なんとかしてあげたいみたいな。
山里:YOUさんの、なんとかしてあげたいっていう気持ちから出てくるアドバイスがすごく良くて。その時って、ゲストに語り掛けているんですけど、その方だけじゃなくて僕の悩みの解決にもつながる瞬間もあるんですよね。それにゲストの方も、悩みを解決した瞬間に「もっといろんなことの答えを出したい!」っていうふうに盛り上がってもっと話してくれるんです。
印象深かったのは、「元薬物依存患者」の方を取り上げた時に、絶対にバレない状況で、「今ここに薬物があったらどうする?」って聞いたら「やりたくないと言ったら正直ウソになるかも」って答えたんですよ。そういうところを番組で使うあたりもいいですよね。
YOU:皆さん匿名でいらっしゃってください~。
――そういった部分も放送する、“攻めている番組”といわれることも多いと思いますが、「他の番組よりも攻めている」ということを意識しているんですか?
山里:いや、僕らは攻めていることが格好いいとかそういうふうに思ってやっちゃだめですよね。
YOU:あくまでも興味を持って、聞きたいと思うことを聞いているだけなので、それを視聴者の皆さんが受け取った時に、人形劇のアプローチの仕方も含めて面白いねって言っていただけいるんです。NHKさんはすごいですね。
山里:そうですね。だから僕らには、「攻めたことやってんだろ?」っていう気持ちは一切ないです。ただ、ありがたい…。
YOU:そう。ありがたいという気持ちだけです。
――毎週、いろんなジャンルの人が登場しますが、必ず聞こうと決めていることはあるんですか?
山里:いや、必ずこれってことはなくて、その都度興味を持ったことを聞こうとは決めてます。最初は“ゲス山里”が意気込んでくるんで、お堅い職の人なんかには、その人のちょっと下品な面を引き出したくなったりする考えがよぎるんですよ。
例えば「元子役」の子に、「金をもらうようになって、変わった人とかいる?」って聞こうと思っていたんですけど、面白いところってそこじゃないなって。お話の途中で、そんなことよりもっと面白いことが聞けたから、「もう今日は、これでいいや!」ってなれるんですよね。
YOU:まぁ、ゲスいこともたくさん聞いちゃってるけどね。
山里:そうですね。でもゲスいことでも、あまりそうは見えないのが、この番組のすごいところなんですよ。もし、僕とYOUさんが、モザイクかけたゲストの方と普通に話していたら、「ちょっと下品で失礼じゃない?」っていうふうに見えていると思うんです。でもそう見えないのは、人形たちのおかげです。
YOU:本当にすごいんですよ。その人形を動かす職人さんたちが。
毎週水曜夜11:00-11:30
NHK Eテレで放送中
※12月6日は「ヘリコプタ―ペアレント」を放送
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