
「記事の質」とは
編集部に戻り、聞き込みの結果を報告すると、成果があったことを誉められ、まどかは上機嫌。「たとえ空振りだったとしても、とことん調べることに意味がある。週刊誌の本質は、空振りと無駄足の積み重ね。そこをおろそかにしたらおしまい」と言った北浜に、阿久津(大倉空人)が「おしまい」の意味を尋ねた。
阿久津の問いに、北浜は「記事の質」と答えた。活字にならないような細かい部分にどれだけ手間暇をかけるかが重要、手を抜いたらあっという間に質が落ちる。そうなれば信頼を失うのだと説明し、「信頼を失うと…週刊誌は“おしまい”だ」との北浜の言葉が、今一つピンと来ない表情の阿久津。そんな彼に、村井は「おいおい分かってくるよ」と語りかけた。日向子も今回、(自分的には)かなり苦労をしたのに、記事にならない部分だったのか…と、どっと疲れが出た様子だった。
初の裏取り調査に新潟へ
会議が終わった途端、村井は彼女に新潟行きを命じた。彼は、久保塚恒太(相馬理)という27歳の男性を追っているようだった。久保塚は10代の頃に傷害事件を起こし、新潟で渡辺という保護司の世話になっていたが、その後、知人を頼って上京。渡辺は現在、都内の介護施設に居るようだが、念のために新潟の住居に「絶対に居ない」と確認してきてほしいというのだ。“裏取り”も大切な仕事の一つだ。
村井は、日向子に「家のチャイムは必ず押す」「反応が無くても、電気やガスのメーターが動いてないか確認」「家の周りはとりあえず1周する」と、やり方を伝授した。
翌朝、新潟に向かった日向子は日帰りの予定だったが、帰り道で迷ったところに大雨に降られ、その上携帯の充電が切れるという最悪の事態に。山奥で真っ暗の中、パニックになった彼女は、昼間に聞き込みで訪ねた家庭に飛び込み、充電だけでもさせてほしいと泣きついた。その家庭の老夫婦は、日向子に泊っていくように言い、久々に人の優しさに触れた彼女は、つかの間の安らぎを感じた。だが、風呂に浸かりながら「自分は何をしているのか…こんなことをするために出版社に入ったんじゃないのに…」と、望まない仕事で疲弊する自分に落ち込むのだった。
日向子は、同期の明日香(黒瀬ひな)「今度変な仕事を振られたら、絶対に断ってやる」と愚痴るが、明日香に「ひそかにやりがいを感じてきてるんじゃないの?」と言われ、即座に否定することができなかった…。

村井が追う「連続不審死事件」
一方、村井は編集部の会議室で「連続不審死事件」と書かれたホワイトボードを見つめていた。何人もの被害者の中に、先の品川の女性の名もあり、関連でまどかの名前も書かれていた。そして、「事件当日 一緒にいた」と書かれた矢印の先には「久保塚恒太」の名前と「指名手配犯 逃走中」の文字。
今後、この事件がドラマの核になっていくようだ。どのような展開を見せるのか、今後名前が挙がる人物一人一人に注意を払いながら見ていきたい。
◆文=ザテレビジョンドラマ部


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