そこからの1対1の決闘は、濁流にのまれそうになりながらも必死に耐え忍んできたシユルの人生のすべてを懸けた運命への抵抗そのもの。野生動物のようなうなり声を上げ、気迫でワン・ヘを圧倒するシユル。暗闇の中、たき火の火だけを頼りに刀をぶつけ合い、最後はシユルがワン・ヘに馬乗りになり、その憎しみすべてを込めた拳をたたき込んだ。
チョンやウンとの別れ…
理不尽と無常に満ちたシユルの人生、その憎しみを代弁するかのような強烈な最終決戦シーン。これまでロウンがドラマやステージで見せてきた華やかさとは真逆の泥臭さ、生々しいまでの切実さ、愛する者を奪われた悲しみと憎しみが投影された怒りの形相が、決戦シーンにすごみを増している。
そんなシユルに視聴者からも「これまで抑えてきたシユルの感情が爆発してる…瞬きもできない!」「すごい迫力!シユルの涙に胸が苦しい」「最終話ずっと泣いてた。ロウンの演技が素晴らしかった」の声が飛んだ。
最終決戦の後、朝を迎えたシユルがチョンと最後の別れをするシーンも胸に迫る。あふれる涙と嗚咽から感じられるのは、兄弟同然のチョンを失ったシユルの身を斬られるような痛み。そして、ウンとの別れも…。別れのその瞬間、初めて互いの名を名乗った2人。「二度と、会えませんよね」というウンの言葉は、再会の伏線なのだろうか。
ラストシーンは、「戦争だ、戦争が始まった」と騒ぐ無法者たちと、不穏な烽火(のろし)を見つめるシユルの姿。新たな事件を匂わせるラストに、視聴者からも「続編あるってこと?」「まだ平和は訪れない、と…」「続きが気になる。続編待ってます!」との声が飛び交う反響を見せた。
“ロウンの新境地”と話題を呼んだ「濁流」(全9話)は現在、ディズニープラスのスターで全話独占配信中だ。
◆文=ザテレビジョンドラマ部

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