
楊志役:満島真之介 コメント
時代を超えて受け継がれてきた水滸伝の光。その光を託され、私は楊志に息吹を注ぎ、生き抜かせていただきました。血を削り、魂を刻み、宿命の炎に身を投じていくごとに感じる重圧。ですが、その重圧は不思議と心地良く、芯に寄り添い、背中を押してくれるようで、自分にしか感じられない気持ちを表現できたと思います。
誇りを抱き、苦悩に沈んでも立ち上がる男――楊志。家族の温もりと愛を道標に、出会いの絆を力に変え、守るべきものの尊さに辿り着きました。その道程は、時に孤独な戦いでもありましたが、闇の中で剣を握りしめた傍らには、光が灯っていたのです。それは、スタッフ・キャストの皆さん、そして済仁美と楊令の存在はとても大きな力になりました。
楊志として、その誓いを胸に生き抜いたこと。それは人生に深く刻まれた、揺るぎない財産です。水滸伝は、夜空に瞬く星々のようにこれからも輝き続け、物語に触れた方々の心に消えることのない炎を灯すでしょう。
済仁美役:波瑠 コメント
済仁美の絶望していた過去の人生が、楊令と出会うことで全てプラスに変わっていく。その幸せや喜びが心の中であふれているように演じました。楊令を助けて、他人同士が家族になる――血のつながりがなくても、家族の思いやりや愛する瞬間が、済仁美にも、満島さん演じる楊志にも、必要だったんじゃないかなと思います。
満島さんが本当に引っ張ってくださって、「大きな波瑠と小さな晴(岩川晴)」は、父の大きな背中を見ながら、のびのびとやらせていただきました。闘いのシーンが多く描かれる中で、私たち家族の場面は、1番“親しみやすさ”を感じていただける部分かなと思うので、激動の中にこんな家族があったんだ、というところを見ていただけたらうれしいです。
大原康明プロデューサー(WOWOW)コメント
楊志という人物は北方謙三先生の「水滸伝」を代表するキャラクターです。楊志一族の生き様を通して、読者はさまざまな場所を旅し、多くの出会いと別れを経験しました。名門の軍人の家系に生まれ、理想と現実のはざまで葛藤する楊志は、満島真之介さんにお引き受けいただきました。
顔合わせの際、満島さんが語られた言葉の“熱さ”、そして“覚悟”に思わず涙しました。実直さ、思わず背中を追いたくなるような魅力的な姿、プロフェッショナルな姿勢は、楊志そのものでした。満島さんでなくては、楊志は演じ切れなかったと確信しています。
その楊志と出逢い、共に孤児を育てていく済仁美役は、波瑠さんが繊細に、そして温かく演じてくださいました。母としての凛とした強さと優しさを表現してくださるのは、波瑠さん以外に浮かびませんでした。
映像化に際し、女性の登場人物を、特に済仁美をどのように描くか。制作陣の中でも重要なテーマの1つでしたが、映像の中で立ち上がった済仁美の姿は、初めて小説を読んだ際に想像した姿を遥かに超える存在感と魅力を放ち続けています。
「水滸伝」は戦いの物語であると同時に家族の物語であり、愛の物語でもあります。作品を通して描かれるこれらのテーマは、時代は違えど不変です。楊志、済仁美、そして楊令の旅の行き着く先をぜひ一緒に見届けていただけますと幸いです。































