
乃木坂46の岩本蓮加と冨里奈央がW主演を務めるドラマ「ふたりエスケープ」(毎週土曜深夜0:55-1:25、テレビ大阪ほか/Leminoプレミアムで独占配信)の第8話が放送・配信された。第8話は、2人で後輩の実家の掃除に行って懐かしい過去を思い出すも、先輩が突然姿を消してしまうという急展開を迎えた。(以下、ネタバレを含みます)
後輩の実家で大掃除をすることに
同作は、田口囁一の同名コミック(一迅社刊)を実写化したもので、かわいいだけが取り柄で、無職にして「現実逃避のプロ」の先輩と、日々原稿に追われている「限界漫画家」の後輩が繰り広げる“現実逃避”コメディードラマ。日常生活で疲弊している現代人に“癒やし”を与えてくれる作品だ。
いつも通り、原稿の締切に追われている後輩を横目に無職の先輩が遊んでいる。部屋には、この前の福井旅行でコレクションしたと思われる恐竜のおもちゃも増えている。ナッツを仕分け、「おまえのためにとっといてやったんだぞ」という先輩につられて、後輩は原稿からの現実逃避とばかりに部屋の掃除を始めた。そんな中、後輩の母親からの「実家のリフォームをするから部屋を片付けるように」との電話で、さらなる現実逃避として、大掃除をしに2人で後輩の実家に向かった。
実家では、第4話で出会った白猫のちくわぶと再会。そして後輩は自分の部屋に足を踏み入れたところ、たまりにたまった品々のなだれの中に埋もれてしまった。思い出の品を所構わずためてきた後輩の部屋を見て、さすがの先輩も「もはや業者呼ぶレベルじゃね」と衝撃を受ける。
部屋の掃除を始めても、後輩は思い出が詰まったものを全然捨てられない。そこで先輩は「物がなきゃ忘れる思い出は、全部捨てちまえ」とあきれるが、後輩はリフォームされてしまうこの部屋そのものにも愛着があるようだ。
高校時代の先輩は“学校中の憧れ”
その後、後輩は高校時代の制服に着替えて卒業アルバムを持ってくる。アルバムには、先輩と眼鏡をかけていた後輩のツーショット写真が挟んであったが、「うちら高校のとき言うて接点なかったじゃん」と覚えていない先輩。その頃の先輩は「取り巻きもいっぱいたから」「モデルもしてたしな」と、学校中の憧れであったらしい。
「今の無職の先輩とは大違いです」と言いつつも、先輩への憧れの気持ちを素直に伝える後輩だった。一休みしたところで後輩はコッペパンとコーヒー、牛乳を買ってきたが、ここで先輩は味へのこだわりを熱弁。それをちくわぶが興味ありげに見ている。
後輩は仕事も締切もなかった高校生活を「楽しかった」と懐かしがり、思い出を胸にまだ現実逃避したい気分でいるが、先輩は「今のが楽しいから、あたしにはその現実逃避は必要ないかな」と話す。いつもなら後輩に的確にツッコミを入れてくる先輩が物憂げな顔をしていて、なんだか2人の間に微妙な温度差がある様子だ。
何とか後輩の部屋を整理して2人でマンションに帰るが、疲れた後輩がちょっと仮眠しようとしていると、先輩は「ひとりエスケープしてくるわ」と謎めいた言葉を口にして、目が覚めたらマンションからいなくなっていた。
それから何日たっても先輩は帰ってこない。後輩は突然やってきた孤独な生活の中、黙々と原稿を描いていく。そんな中、推し声優の伊集院あかり(田村真佑)のラジオで投稿したメッセージが読み上げられ、先輩のことを思い出して遠くの何かを見ているかのような、複雑な表情を浮かべる。
先輩はどこに行ってしまったのか――今までの思い出が脳裏によみがえり、ラジオからかかるALの曲「さよならジージョ」を耳にしながら物思いにふけってしまう。「先輩は家でゲームしてくれたらいいんですよ。私が養ってあげますんで」と軽口をたたけた相手がいなくなって、後輩の心の中も急に寂しくなった。
突然の急展開だったが、今まで謎だった先輩と後輩の過去が少しずつ明らかになり、高校時代の2人の意外な素顔も明かされた。それを岩本と冨里はせりふにならない繊細な感情を表情、細かな芝居で伝えた。視聴者からは「後輩の言葉に思うところがあったからなのかな」「蓮加ちゃんの表情が素晴らしい」「なおなおの制服姿めちゃくちゃかわいい」「胸がギュッとなる」「とても切ない回だった」といった感想が寄せられている。
◆文=大宮高史



































