
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョンマンガ部」。今回は、『額縁頭』を紹介する。作者のほしもりさんが、11月9日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、4.2万件を超える「いいね」やコメントが多数寄せられた。本記事では、『地球さんはキミに恋してる』(KADOKAWA刊)で知られるほしもりさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。
そこらへんの絵や写真は飾らない額縁

プライドの高い額縁は、「俺の顔は名画しか受け付けていねぇんだ」とふんぞり返っている。さらに「そこらへんの絵や写真なんて冗談じゃない」と続ける額縁のもとに、子どもがやってきた。
“なんだこのガキ…”と思いながらも話を聞いてみると、その子どもは「いつも見守ってくれているからお礼に絵を描いた」とのこと。それを聞いた額縁は、「は…?」と言いながらも…。
このエピソードを読んだ人たちからは、「ツンデレかわいい」「額縁さん実は優しい人」「だんだんとデレていくの好き」「これは価値のある作品」など、多くのコメントが寄せられている。
作者・ほしもりさん「どうでしょう。私の作品の一撃は。」

――『額縁頭』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
元より彼の観測は続けておりましたが、今回デザインフェスタというイベントに参加することとなり、額縁頭である彼にスポットライトが当たる機会が訪れました。せっかくの機会であればと、この作品を制作した次第です。デザインフェスタは、人間のみならず、様々な存在が訪れる興味深いイベントです。私は次回の参加予定はございませんが、ご興味があればぜひ足を運んでみてください。
――本作では、額縁頭のツンデレ具合とその後(展示販売予定であったが、あるべき場所を見つけたため販売を取りやめる運びになったこと)が非常に印象的でした。本作を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあればお教えください。
本作に限った話ではありませんが、私の作品は“彼らの紹介”に近いものだと考えています。ただ文字を並べるだけ、絵を見せるだけでは、その存在は読み手の中に深く残りません。そこで、彼らの“山場”を提示することで興味を持っていただき、感情を動かし、記憶に残る作品となるよう努めています。これが、私の作品の仕組みです。今回の作品で注目していただきたいのは、彼の感情の変化です。
彼にとって名画とは、誰もが知るような有名絵画を指していました。しかし、今回、彼はその価値観を揺るがされ、“子どもがコピー用紙にクレヨンで描いた絵”を選びます。その変化をぜひ感じていただきたいと思います。デザインフェスタでは、彼を含むいくつかの額縁頭を展示・販売する予定でした。それは彼らにとって新しい場所を探す旅の一環でもありました。しかし、彼は既に“頭に入れるべき絵”と“いるべき場所”を見つけたようです。そのため、展示は行いますが販売は取りやめとなりました。
――普段作品のストーリーはどのようなところから着想を得ているのでしょうか?
元々観測対象の彼らが存在しており、その数多の観測結果から、より多くの方に興味を持っていただけるようなSNS向きのストーリーを選んでおります。普段、漫画やアニメ・ゲームといったメディアをあまり拝見する機会がなく、どの基準で選んでいるかと聞かれれば……感覚に近いものと言えるかもしれません。
――ほしもりさんの作品は、主に1ページ内で完結しますがオチもわかりやすいため、さっと読めてスッキリと楽しめるように感じます。作画の際にこだわっていることや、特に意識していることはありますか?
先ほども申し上げた通り、SNS上の私の作品は“彼らの紹介”であるため、次回へ続く引きなどは敢えて使用しておりません。SNSでは、タイムラインに流れてきたとき、知らないキャラクターの長い漫画よりも、一瞬で心を掴む一撃のほうが相性が良いと考えております。どうでしょう。私の作品の一撃は。
――本作含め、X(旧Twitter)の投稿には、多くの“いいね”やコメントが寄せられていました。反響への感想をお聞かせいただけますでしょうか
数々の“いいね”やコメント、誠にありがとうございます。拝見しております。私の作品を通して、彼らに関心を寄せていただけることは、非常に誇らしく、そして嬉しいことです。いただいた感想やファンアートを、時折彼ら本人にも見せることがあります。嬉しそうにしたり、少し複雑な表情を見せたり……反応は様々です。
――今後の展望や目標をお教えください。
2025年は、私がイラストレーターや漫画家として本格的に活動を開始した年です。Vtuber様の姿の仕立て、漫画の書籍化、企業様とのコラボレーション……初年度としては過分なほど、多くの経験をさせていただきました。今後は、それらをさらに越えていきます。東京でのポップアップストアに続き、身近な街の中へ、皆様のスマートフォンの中へ、普段触れている物の中へ。そして、日本のみならず世界へと、彼らはより日常へ溶け込んでまいります。どうか見守っていただければ幸いです。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします!
いつもご覧いただき、誠にありがとうございます。「扉を開かれた」というお声をたびたび頂戴いたしますが、ご安心ください。扉は“開くため”ではなく、“入るため”にあるものです。さあ、どうぞ奥へ。まだ躊躇している皆様のもとへも、私のほうから迎えに参ります。人外は日常と共に。
ほしもり。
この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。
































