
前田公輝と水沢林太郎がW主演を務める「おいしい離婚届けます」(毎週水曜深夜0:24-0:54、中京テレビ・日本テレビ系/Hulu・TVerにて配信)が現在放送中。オリジナル脚本で描く、法では結ばれない二人が問いかけるヒューマンリーガルドラマだ。
この度、WEBザテレビジョンでは、同作のプロデューサーを務める林弘幸氏にインタビューを実施。制作秘話やキャスト陣の魅力、今後の見どころなどについて話を聞いた。
作品のテーマは「愛が混ざり合う」
――完成した映像を見た率直な感想をお聞かせください
普段、映画を制作されているハピネットファントム・スタジオさんとタッグを組んだことにより、深夜枠のドラマではありますが、映画のような質感の画や、自然な雰囲気を醸し出す効果音など細部にこだわりがあって、非常に作品としても完成度の高いものになったと感じました。
そのためには、カメラマンさんや照明さん、音効さんなどさまざまな方の力が必要ですが、そういった優秀なプロのスタッフの方に多く集まっていただけたのが幸いでした。
――本作はオリジナル脚本ですが、離婚や同性愛などをテーマにしようと思ったきっかけや、経緯は何だったのでしょう?
原案は監督と脚本家さんといくつかアイデアを出していく中で生まれたのですが、法の下に結ばれない同性愛の二人が、法により婚姻関係にあるにも関わらず、別れようとする人を、法律を駆使して別れさせるというところにストーリーの面白さを見出しました。
「愛が混ざり合う」というのがテーマです。「結婚」や「家族」の枠組みって、血縁なのか? 法律なのか? 本当はそうではなくて自分が誰を愛して、一緒にいたいかっていうことが大切なんではないか? というところを重視して考えてきました。
血縁や法律を超越したところに新しい家族のカタチがあるんじゃないかという、多様性の時代に投げかけることを考えて脚本を作りましたね。
初と海はすごく魅力的な存在
――前田さん、水沢さんの起用理由を聞かせてください
並んでとにかく画になる、イケメン2人による物語を描きたかったのでとにかく、惚れ惚れするお顔立ちとシルエットでお二方をイメージしました。どちらも高身長でキレイなお顔立ちなのでとにかく画になります。
前田さんは、『私をもらって』(2024年、日本テレビ系)『完全不倫-隠す美学、暴く覚悟-』(2025年、日本テレビ系)と主演が続いており、当時担当していたプロデューサーの池田が、音喜多初を探している時に「私をもらって」の前田さんを見たときに「この方だ!」と直感が来たそうです。
実際に『私をもらって』のPの方にお話も伺ってオファーすることになりました。芸歴も長く、磨き上げられてきた演技も素晴らしく、『おいしい離婚届けます』の直前クールに放送されていた『完全不倫』で、ご覧になられた方も多いかと思いますが、前作の役と、今作の音喜多初役では全く、キャラクターが違うので本当に同じ人⁉ とびっくりするくらい役者の引き出しが凄い方です。
水沢さんは今年映画3本、ドラマ3本、ドラマ界でよく名前が挙がっている方で注目していたのですが『ビリオンスクール』(2024年、フジテレビ系)や、『なんで私が神説教』(2025年、日本テレビ系)の4話の演技は圧巻で、伊勢谷海役としてお願いするに至りました。
海の「かわいらしさ」と「おせっかい」の両面を出すお芝居を水沢さんなら演じていただけるのではないかと期待しておりました。実際にやっていただいたのを見て、流石に何本も映画にオファーされるだけのことはあると即納得。
これまた凄い才能の持ち主だと感じました。お二人で作り上げていただいた初と海はすごく魅力的な存在になったと思います。
――林Pから見て、座長であるお二人は撮影現場ではどういった印象でしょうか?また、前田さんと水沢さんの相性は、プロデューサー目線から見ていかがですか?
役者の道を歩んでいる水沢さんにとって前田さんはいい先輩のようで、前田さんが水沢さんの役作りを見て「同じ道を歩んでいる」と言ったときに、水沢さんが「分かります!僕もそんな感じがしていて、この先に前田さんがいるって思っていました」と会話されているのを見て、役者としてもとても波長の合うお二人なんだなと思いました。
また、水沢さんは前田さんから見てまだまだお若いですが、お二方ともそれぞれをリスペクトしあっているのはすごくいい雰囲気でした。とくに、二人がいいなぁと思ったのは、役者さんからスタッフにいたるまで気にかけてくださり、細かいコミュニケーションをとってくださるのが現場としては非常にありがたかったです。
夏の暑い時期の過酷な撮影でしたし、脚本も覚える量が多くて大変だったはずなのに、エキストラの小さいお子さんのことを気にかけてくださったり、照明さんのジョークにちゃんと突っ込んでくださったり(笑)。みんなで作っている空気をつくってくださったのが良い作品づくりに繋がったんだと思います。































