あの、中学生で作った「復讐ルール」に言及
──本の中で「自分らしさは流動的でいい」と書かれていますが、ご自身の変化についてどう感じていますか?
あまりにも自分らしさに縛られないためには、もっと自分を知って「気分が変わることもある」ってことを知ったほうがいいかなって。それが一番、自分っていうもののバリエーションが増えることだと思うし。
書く前と後でも気持ちは変わっていくし、書き終わって全部出し切った感覚はあるけど、やっぱり日々考え方は変わるかなと。
──中学生の時に作ったという「復讐ルール」の中に、「蹴落とさない」という項目があります。なぜそう思ったのですか?
頑固なんです(笑)。普通なら先に蹴落としてやるって思っちゃうかもしれないけど、僕はあんまり人のことを蹴落として何かを得ても、それはすごくないなっていうか。自分なりの戦い方で勝つほうがいいと思ったし、そういう育てられ方をしたのもあるかも。そこは真っ向勝負でやってきました。
ライブをやると自身が「整う」
──仕事中の自分とプライベートの自分にギャップを感じることはありますか?
ライブだとお客さんもたくさんいて、いろんな人のエネルギーを浴びるけど、家帰ったら一人だし。そのギャップは結構メンタルに来るというか、落ち込みやすいかな。みんなが想像しているより一人の時間が多い。
テレビとかメディアではそれを面白おかしく言ったり、あえてマイナスに映るような見え方を選んでやっている部分もあるから「本当はもうちょいこうなんだけどな」って思う時もあって…そういう時にギャップが生まれることはありますね。
──他人から否定的な言葉を投げかけられて傷つくこともあると思います。あのさん流の「心の癒やし方」やケアの方法はありますか?
癒やす方法ってあんまりないんだけど…でも結局、音楽が一番心地よくて。ライブをやるとすごく自分が「整う」というか。荒ぶることもあるけど、ライブっていう場が一番僕らしく慰めてくれるなって思う。
嫌な言葉とかも気にしないっていうか、それを覆すようなパワーを出せる場所だなって思うし。ファンの人からの声援とか、チェックしてくれている反応とかが本当に励みになっています。
──SNSなどで他人と自分を比べてしまう人も多いです。あのさんは、幸せそうな人を見た時どう対処していますか?
僕も友達少ないけど、唯一の友達とかみんな幸せそうで。それこそヤバT(ヤバイTシャツ屋さん)のありぼぼちゃんとか昔から仲良いけど、結婚もしてバンドもずっと安定して人気で…「めっちゃ幸せ者だな」って思うし、祝福もちゃんとしている。
でも、そこで「あ、自分は…」って比べた時点で、自分も幸せになれないなって思っちゃうから。幸せな人を遠ざけるっていうよりは、他人と比べないように。「自分は自分だから」って、自分なりの幸せをしっかり見つめないとダメだなって、いつも軌道修正している感じです。
書名:哲学なんていらない哲学
著者:あの
発売:12月24日(水)
発売・発行:株式会社KADOKAWA
写真:松岡一哲
https://www.kadokawa.co.jp/product/322506001161/






























