
ドラマストリーム「スクープのたまご」(毎週火曜深夜0:58-1:28、TBSほか/TVerにて配信あり)の12月2日放送の第9号(本作では、「話」ではなく、週刊誌にちなんで「号」と表記)で、日向子(奥山葵)は、先輩記者の村山(夙川アトム)から、記者としての成長を誉められ、以前の編集部への未練を断ち切って事件記者として頑張る覚悟を決めた(以下、ネタバレがあります)。
スクープと向き合い、記者として成長していく姿を描く
本作は、大崎梢氏原作の同名小説をドラマ化。大手出版社の「週刊千石」編集部に異動となった入社2年目の信田日向子が、芸能ネタや横領、不審死事件など、さまざまなスクープと向き合い、記者として成長していく姿を描いていく。有名週刊誌への綿密な取材によるリアリティー満載の描写で、週刊誌編集部の裏側ものぞけるようになっている。
青城の黒い噂
婚活パーティーの潜入から編集部に戻った日向子は、先輩記者の村井に現場での様子を報告。いつの間にかバッグに入れられた匿名のメモでチャペルに呼び出されたこと、チャペルに居たのは会う予定のニコちゃん(宮澤佑)ではなく謎のサングラス男(小西詠斗)で、パーティーの封筒を無理やり奪われた上に逃げられてしまったことを伝えた。
指名手配中の久保塚(相馬理)でも、事件にかかわっているかもしれない青城(古屋呂敏)でもない“第3の人物”の登場に、村井は真犯人についてさらに興味を持ったようだ。村井は、久保塚と青城の故郷の新潟で青城の高校時代の同級生たちに聞いてきた2人の話の録音データを日向子に聞かせた。
その録音には、高校時代、青島と同じクラスに居た、彼の実家の会社より儲かっている会社の息子が、ある時から不良に目を付けられて暴行を受けたのだが、その黒幕が青城だ。誰も信じてくれないが、青城が不良に命令したのだ、という証言が…。同級生たちは皆、「誰も信じてくれないけど」「証拠は無いけど」と前置きしながら青島の裏の顔について語ったそうだ。また別の友人は、「彼にとって邪魔者は、悲惨な目に遭う」とも言っていた。
日向子は、先日会った青城の好青年の印象から、その証言がにわかに信じられず、「でも、しょせん噂話ですよね?」と、成功した彼へのやっかみで足を引っ張ろうとしているのかもしれない、と自分の考えを村井に伝えた。もしそうなら、やはり久保塚の単独犯行の可能性が高くなる。だが、村井が久保塚についても尋ねたところ、誰もが「憎めないヤツだった」と語ったというのだ。

「信田さん、成長したね」
しかし、村井は日向子の考えを聞いて、自分が聞いてきた話が真実とは限らない、と言い、先入観を持たない日向子に「信田さん、成長したね」と声をかけた。日向子は、婚活パーティーで着たドレスをロッカーに戻すとき、中に掛けられていたこれまでの聞き込みや張り込みで着た変装用の服を1つ1つ見ながら、取材相手から有益な情報を聞き出したのをデスクの北浜(赤ペン瀧川)褒められたこと、失敗して記事をボツにしたこと、与えられた役割を上手く果たして村井に礼を言われたことなどを思い返し、自分でも成長したことをかみしめた。そして、これまで常に持ち歩いていた前の編集部で作っていたPR誌をロッカーにしまった。「週刊千石」に異動になったことに戸惑い、違和感を感じていた日向子は、今まで前の編集部で活躍していた自分が忘れられなかったが、やっと新たなステージで生きる覚悟ができたようだ。
◆文=ザテレビジョンドラマ部































