<ばけばけ>“ヘブン番”の新聞記者・梶谷吾郎役の岩崎う大「“梶谷の正義”は、何が正しいかよりも読者が沸くかどうか」

「これ、朝ドラじゃないですか!」
――「ばけばけ」へのご出演が決まったときの感想を教えてください。
最初はマネージャーから伝えられたんですけど、すごく普通のテンションで伝えてきたんです。マネージャーはサプライズみたいにして僕の反応を見たかったみたいですけれど、僕は僕で「あれ?そんなにすごいことじゃないのかな」と思って(笑)。一度持ち帰ったんですが、後になってから「これ、朝ドラじゃないですか!」みたいな感じで、やっぱり相当びっくりしました。ただ、本当に申し訳ないんですけれど、僕は朝ドラを見ない家庭に育ったので、朝ドラを見る習慣が無かったんです。めちゃくちゃうれしかったんですけど、「ちゃんと見ておけばよかった」という気持ちにもなりました。
――岩崎さんも脚本を書かれていますが、脚本としての「ばけばけ」の感想を教えてください。
ふじき(みつ彦)さんとは元々知り合いで、以前、単独ライブとかも見に来てくれたことがあります。ふじきさんの脚本は、やっぱり面白いですよね。僕の役である“梶谷”も、派手に面白いことを言うわけじゃないですけれど、面白い人間の動きをしていて、その言動を表現するのが楽しくて。「ふじきさんは、きっとこんな感じのトーンで狙っているんだろうな」と想像しながら、やらせてもらっています。
――“梶谷吾郎”は、どんな人物ですか?
「松江新報」の新聞記者という役ですが、本来の僕とは違うところでいうと、結構パワフルで、人にどう思われているかもあまり考えていないというか。自分の正義はこれだ、というものはありつつ、時代によって変化していく正義のもろさみたいなのも知っていると思います。だから、フットワークが軽くて神出鬼没。“梶谷の正義”とは読者が喜ぶことで、何が正しいかよりも、単純に読者が沸くかどうかを考えているような気がしています。「風を吹けば、何かが起きて実る」というような感覚があって、取材も正攻法で聞いていくのが、僕の中にある“梶谷”のイメージです。
高石あかりさんは、面白い脚本を、ちゃんと面白く伝えてくれる人
――トキ役の高石あかりさんの印象を教えてください。
高石さんは、コメディーのシーンが上手だと思いました。お笑いが好きなんじゃないかなぁ(笑)。大きな声を出すシーンでも、ただ声を張り上げるのではなくて、セリフに気持ちを乗せて、結果として声が大きくなっているという形に持っていけるのは、なかなか難しいと思います。面白い本(脚本)を、ちゃんと面白く伝えてくれる人です。
――ドラマの見どころと、視聴者へのメッセージをお願いします。
「ばけばけ」は、単純に良いテーマだなと思っています。僕は、小泉八雲さんのことはあまり詳しくないですけれど、当時の日本に来て、「怪談」というものを掘った人がいるというのは面白いですし、小泉八雲さんはユーモラスな人だったんじゃないかなと思って、勝手にシンパシーを感じています。僕も妖怪やホラーが好きで、ちょっと視聴者的な目線になってしまうかもしれませんが、明治の時代に「怪談」というものがどうなっていくのかに興味があります。……梶谷さん、怪談に興味があるキャラみたいにできないですかね(笑)。物語の中で、「小泉八雲」が誕生するところに、ちょっとでも絡んでいけたらいいのになぁ。

※高石あかりの「高」は、「はしご高」
この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。


































