消しゴムはんこでズバ抜けた才能発揮
――さまざまなジャンルで才能を発揮されていますが、特に初挑戦で特待生になって以降ずっと昇進中の「消しゴムはんこ」に関しては絵本出版のオファーもあったそうで。かなり反響はありました?
反響ありましたね。彫刻刀メーカーの方から彫刻刀を送っていただきまして、めちゃくちゃ作りやすいですね。いいものを使うと、全然違います。
――かわいらしいリスなどファンシーなものから、季節感あふれるカニ鍋、一枚絵でせいじさんの浮世絵風似顔絵など毎回作風を変えていろんな形の作品にチャレンジされてますね。
勝手に自分に枷をかけてやるのが楽しいんですよ。次はこんなのにしようって考えることはなくて、いつもスタジオ入ってテーマ聞いてから考えるんで、そこから何が出てくるかってことですね。
――1作品どのくらいで完成するんですか?
4、5時間ですね。
――これまでの中での自信作は?
2回目の鍋のやつですね。最初のリスの時は、「消しゴムはんこ」というものが何なのかよく分かってなかったんですよ。
例えば、かすれてるところが味として捉えられるのかとか。そうじゃなくてしっかり押すんだと、ちょっとだけ「消しゴムはんこ」を分かった上でやったのが2回目だったので、鍋のやつは印象深いですね。
「消しゴムはんこ」って、一生懸命彫って、その後、押してる時は一旦自分から離れている感覚なんですよ。完成するまで、これがどうなってるのか誰にも分からないというところにも面白さがある。それを初めて感じたのが2回目でしたね。
――初回でいきなり特待生で、その後もずっと昇格し続けて特待生1級。次は名人へ向け、もう一ランク上を要求されてくると思いますが、その対策は?
やっぱりまずは下絵というところですよね。あんまりかわいい感じにし過ぎても違うし、あんまり写実的に描くとはんこにするのが難しいし。どっちに落とし込むかというのが難しいバランスですね。
――次はどんな作風にチャレンジしますか?
何にするんでしょうね。自分でも楽しみですね。
ルールがあるからこそ面白い
――他にも、「絵手紙」「いけばな」でも特待生で。この番組で、アート系の才能をお持ちだったのが明らかになりましたが、何かやってらっしゃったんですか?
何もやっていないです。強いて言うと、父親が設計士なんで、一応絵を描くと言えばそうなので、その血は流れてるかもしれないですね。
――子供の頃は、絵を描いたりは?
よく落書きとかしてました。“変な絵を描くな”みたいな感じでいわれてましたね。あとは大喜利で絵を描く程度ですね。
――「いけばな」は假屋崎省吾先生の個展を見てから開眼されたとか?
そうですね。個展を見に行かせていただいて。全く知らない世界だったんで、非常に面白いし、もちろんルールがありつつ、その中でいかに爆発させるかみたいなところに惹かれましたね。
――“ルールがある”というところが、芸人として今までやってこられたものにも通じるものがありそうですね。
そうですね。やっぱりどんなことも“何でもあり”ということではないんだなと。ルールがあるからこそ生きてくるムチャクチャっていうか、やり放題できる部分もあるでしょうし。