東国原英夫、優勝決定後インタビュー
――優勝おめでとうございます。
2連覇できてホッとしました。国民栄誉賞に近づいたかなと思います(笑)。
――今回の勝因は?
今回はベスト3に入ればいい方かなと思っていたので、正直。
五・七・五の定型ではなく、破調で外したので、ちょっと1位は無理かなと思っていたので、1位を取れて驚きました。五・七・五を崩した形でも1位が取れるんだという自信になりました。
実を言うと「俳桜戦」や「冬麗戦」などのタイトル戦は冒険できるんですね。降格がないので。僕が一番恐ろしいのは降格なので(笑)。
タイトル戦は自由に詠ませていただいているので、それが功を奏しているのかなと思いました。
――最高位にいらっしゃる梅沢さんへ一言。
背中が見えてきたので、追い付き追い越せで、そのうち政権交代を狙いたいと思います!
夏井いつき先生による「俳桜戦」総括
特待生、名人の方たちは俳句のことが分かりだしてますから、今日は下位の2人はもうちょっと勉強がいるかなという感じですが、7位の中田(喜子)さんから上位はみんなそれなりに勉強したことがちゃんと形になっていますね。
1、2位は対照的な作品でしたね。王道をいく梅沢さんの句と、論理的に自分の句を推敲して作り上げていく東国原さん、この2人は別格です。
3位から5位の千賀さん、(三遊亭)円楽さん。横尾(渉)さんまでは自分らしさを出しながら丁寧に作ってらっしゃって普通によくできている。
6、7位の藤本さんと中田さんは本当に小さな取りこぼしで損をしただけなので、本来ならこの2人は真ん中の3人を抜かして上位に行く方たちですね。
特に藤本さんは「獣」と入れるだけで全く違った。中田さんの描こうとしている光景はとてもいい光景ですし。2人もホントは上位の方ですね。
最近、特に特待生・名人の添削は、すごく大変なんですよ。みんな細かなニュアンスを表現したがってきたので、この人は何をしようとしているのかこちらも3パターンくらいの可能性を考えて、その中からご本人がどういうつもりで作ったを聞いて、その場でどの添削を持ってくるかとなるので、こちらの脳みその方が大変なの。
今回は横尾さんの句が大変でしたね。それだけのニュアンスを彼らが伝えようとし始めてるってことは、すごい進歩だと思ってます。
今後期待の人物
横尾さんと千賀さんがいい意味で競い合ってほしいと思っています。
横尾さんは今、自分の思いを語るところに一生懸命になってるところがあるんですが、俳句は映像を切り取るんだという最初の立ち位置にもう一回戻ってもらいたいですね。
元々ナイーブで瑞々しい感覚を持ってるので、何か素晴らしいを俳句にしなきゃいけないとか考えない方がいい。千賀さんが調子がいいので焦る気持ちは分かるんですが、一人一人持ち味は違うので慌てないでほしい。
映像を切り取るというところに戻ってくれるだけで、横尾さんはなんとかなるので、エールを送りたいですね。
取材=国川恭子