23日(金)から公開される映画「インセプション」の来日記者会見が21日、都内で開催され、出演者のレオナルド・ディカプリオ、渡辺謙と、監督のクリストファー・ノーラン、プロデューサーのエマ・トーマス氏が登場した。
同作は「プレステージ」('06年)や「ダークナイト」('08年)を手掛けたノーラン監督が斬新な映像で描いたサスペンス・アクション。他人の潜在意識に入り込み、アイデアを盗む出すスペシャリストのコブ(ディカプリオ)は、大物実業家サイトー(渡辺)の依頼で、他人の頭の中に、あるアイデアを植え付けるという難度の高いミッションに挑む。
撮影について、ディカプリオは「なだれを作ったり、360度回転するセットがあったり、周りの物がすべて爆破されたりと、驚きの連続で、毎日何かが起こると期待させられました。スペクタクル大作だけど、キャラのエモーショナルな旅の部分を演じるのがとても楽しかったです。(共演した)マリオン・コティヤールや謙さんとは、いろんな演技論を交わしました」と充実した現場だった様子。また、ノーラン監督について「確固たるビジョンを持った映像作家です。本作は、ノーラン監督の作品の集大成です」とたたえ、渡辺についても「複雑な役をこなす俳優さんだと思っていたけど、実際一緒に仕事をしてみて、プライベートでも紳士的でたくさんの物を与えてくださる親切な俳優さんでした。日本人として誇りに思うべきです」と褒めまくり。さらに、日本の観客に向けて「日本の方は、新しいアイデアに対してオープンです。宮崎駿監督の“千と千尋の神隠し”('01年)に代表されるシュールな世界観にもちゅうちょせずに飛び込むことができる。謙さんとは、本作とテーマ的にも通じる黒澤明監督の“夢”('90年)の話をしました。本作は、ハリウッドのスタジオから生まれたものにしてはユニークな映画。こういう映画こそ、大事にしていただきたい」とアピールした。
渡辺は、ノーラン監督の演出について「監督から『(“007”シリーズの)ジェームズ・ボンドみたいに演じてほしい』と言われましたが、残念ながらボンドガールは用意されてなかったです(笑)」と冗談交じりにコメントし、「本作はスクリプトの段階から綿密な計算をした上でやらないと、半年で撮影できなかった。彼には科学的、建築学的な才能など、あらゆる才能があり、(レオナルド・)ダ・ヴィンチの再来ではないかと思います」と大絶賛だった。
そのノーラン監督は、オリジナリティーあふれる設定について「夢だけど、現実性が感じられる設定にしたかった。現実性がある物に、無重力状態といった要素を加えて、非現実的な物として表現をしました」と本作の魅力を語った。
7月23日(金)から全国ロードショー