10月5日(金)に放送される「LIFE!~人生に捧げるコント~」(夜10:00-10:45、NHK総合)。さまざまなシチュエーションのオムニバスコントを届けている同番組は、主に内村宏幸、平松政俊、倉持裕、あないかずひさの4人がコントを執筆している。
今回は、5日放送されるコント「おふくろ刑事」などの脚本を担当したあないにインタビューを敢行。
これまでのコントについての裏話や、番組の座長・内村光良の印象、そして番組の魅力を聞いた。
“違和感”はネタになるなって思いますね
――あないさんが得意なコントの傾向などはありますか?
得意かは分かりませんが、どこかに恋愛の要素があることが多いですね。
「三角関係」(2014年放送)という、内村さん、池田(一真)さん、ムロ(ツヨシ)さんが出演していたシリーズのコントを書いていたり、「持ち込もうとする男」とか「オモえもん」とかも僕の担当です。
ああいう、人には見せたくないようなドロドロした気持ちがうごめいていく様子が好きなんですよね。
――コントの着想はどのように得ているんですか?
考えようと思って考えることもあれば、街を歩いていて思いつくこともあるので、バラバラです。
「持ち込もうとする男」は、駅の階段で目の前にいたサラリーマンっぽい男女の、男性が発した「アタマきた、じゃあ飲みに行こうぜ」っていう一言からコントを考えました。
その一言で、「あ、あの男性は隣の女性を狙ってるんだな」ってすぐに分かって、そういう男特有のバカっぽい感じが面白かったんです。
あと「オモえもん」は、「よくよく考えたら『ドラえもん』の行動って、“無償の愛”で、これが人間だったらうまくいかないだろうな」って思ったことがきっかけでした。
そういう、“違和感”はネタになるなって思いますね。
誰かの会話を聞いていて「なんか変だったな」と思った原因と、その会話の構造を考えていって、そういうちょっとした違和感をコントに落とし込んでいくことが多いような気がします。
――その考え方でいくと、プロットの段階から、せりふが思いついていることが多いんでしょうか。
そうですね。僕は、登場人物同士の会話のパターンが1つでもあったら、「あ、このコントは書ける」と思うんです。
だから、1つの会話のやりとりが面白いなって思ったら、その前後の流れを書いていくっていうだけなんです。
先ほどの「持ち込もうとする男」でいうと、「アタマきた、じゃあ飲みに行こうぜ」っていう言葉があって、その後に設定をつけていきました。
最初っから“刑事で書こう”とか、そういうふうに設定から考えることはあんまりないですね。
――「持ち込もうとする男」は、ムロさんのキャラクターがばっちりはまっていましたね。
ネタを出した当時は、ムロさんが「LIFE!」のキャストとして出演していなかったので、「面白いけど、できる人がいないコント」として保留になっていたんです。
それで、「ムロツヨシさんっていう人に番組に出演してもらおう」ということになり、このコントをやってもらったらドンピシャで役が合ったんですよね。
僕としては、ボツになりそうだったネタをムロさんが天才的に演じてくれたので、すごくありがたかったです(笑)。
だから、途中からは完全に当て書きでした。「あの人が言いそうなこと」をただ書くだけで、コントが成立したんで、キャラが生命を持ち始めていましたね。
――今回放送される「おふくろ刑事」も、当て書きではないんでしょうか。
あのコントに関しては、池谷さんで何かキャラをできないかなっていうところから作ったので、当て書きになりますかね。
池谷さんの“独身だけどなぜかおふくろっぽい”という特性を生かして、書かせていただきました(笑)。