ずっと変わらないことは、“ツッコミがない”ということ
――平松さんが得意なコントの傾向とかはあるんですか?
あ~~~なんだろう? 得意かは分からないですけど好きなのは、リアルの中に1つだけフィクションが入っていることによって、その世界全体がおかしく見えるようなコントです。「梅雨入り坊や」とかがそうでした。
あのコントの中で内村さんが演じている、“梅雨を告げる人”っていう職業みたいに、現実にありそうだけどないものを描くっていう感じですかね。
でも、僕が総合演出の西川(毅)さんに期待されているのは、「とどろけ!!ファミレス塾」とか「スポーツ番長」みたいな、ぶっ飛んだキャラコントのような気がします。もちろんどちらも好きですし、いろんなパターンが書けて楽しいです。
――ボツになったネタの中で、思い入れの強いものどれでしょう?
ちょっと自慢みたいになっちゃうんですけど、僕の書いたコントの中で、撮影したのにボツになったものってあんまりないんです。
でも、やっぱり思い入れでいくと、先ほどお話した「カワバタ」かな。ボツになったわけではないんですけど、続きを考えていたのに、1度しか放送されてないので…。
西川さんにも、またやりたいって何回も言ってるんですよ。でも「面白いんですけどね~」って流されてます。
あとは、「ライフクローザー」(2015年放送)っていうコント。合コンで女の子が盛り下がっているのに、男が「二次会行こう」って誘っているところに田中さん扮する“クローザー”が現れるっていう設定のものです。
セットも結構大がかりなものを作ったので、シリーズ化する予定だったんですけど、1回しかやってないですね。
田中さんのキャラクターは、以前「阪急ブレーブス」にいたクローザーのアニマル・レスリーさんをモチーフにしていたんですけど、田中さんがあんまり野球に詳しくなかったのも続かなかった原因かもしれないです(笑)。
――平松さんは他の番組でもコントを執筆されていますが、「LIFE!」の特色はどんなところだと思いますか?
ずっと変わらないことは、“ツッコミがない”ということだと思います。
ボケに対しての現実的な否定や疑問はあるんです。でも、現実世界で日常的にツッコミを入れている人がいないのと同じで、「LIFE!」では頭をたたいてツッコむような人がいないです。
そこが、演劇とかドラマに近い部分で、他のコント番組との明確な違いかもしれないです。
「ファミレス塾」にもすごいおかしな人が出てきますけど、鈴木(中川大志)は戸惑うだけでツッコまないですしね。
――では最後に、「LIFE!」の魅力を教えてください。
僕がコントを考える時に意識しているのは、意外性や驚きをいれたいということです。
振り返ってみれば、この番組は、お笑いのイメージがないNHKで放送が始まった時点から、視聴者の方が意外性を感じていると思うんですよね。
ここ数年は、大物の俳優さんたちにたくさん出ていただいて、そこでも「この人がこんなことやるんだ」って意外性を見せられていますし。
うん。一番の魅力は意外性、ですかね!