フェルナンド・アロンソに直撃インタビュー!ル・マン優勝のTOYOTAが日本凱旋
6時間以上の耐久レース全8戦で争われる、2018-19シーズンのFIA世界耐久選手権(WEC)。その第4戦・富士6時間レースが10月14日(日)に富士スピードウェイで開催される。注目は、第2戦のル・マン24時間レースを、日本車として実に27年ぶりに制したTOYOTA GAZOO Racing。その日本凱旋レースに臨む、同チームのフェルナンド・アロンソに意気込みを聞いた。
まずはル・マン優勝おめでとうございます。チームとしても、アロンソ選手自身も初めての優勝でしたがご感想をお願いします。
「ル・マンを制することは、世界中のすべてのドライバーにとって夢であり、名誉です。我々もそれを達成するためにたくさんの犠牲を払い、努力をしてきました。それだけに格別な思いです。私のキャリアの中でも非常に重要な出来事でした」
今シーズンからWECに初めて参戦していますが、どんな印象ですか。また、F1との両立で一番難しい点は?
「WECは楽しくて興味深い。レースやチームの雰囲気もいいです。一番難しいのは適応力。今回も1週間の間に2つのレース(F1 日本GPと富士6時間レース)をこなすわけですが、それぞれマシンの性能が違うし、運転の仕方もまったく違います。スイッチを切り替えて、どちらもベストを尽くすためには適応力が求められますが、それが非常に難しいです」
TOYOTA GAZOO Racing、およびチームメイト(中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ)の印象は?
「TOYOTAはマシンの性能がよく、WECでもよい成績を収めています。その一員として一緒に戦えることを誇りに思っています。カズキもセバスチャンも経験があり、頼りになります。彼らから多くのことを学んでいます。また、2人ともF1の経験があるので、そこからWECへの適応の仕方についてアドバイスをしてくれます。それが大いに役立っています。年齢も近いので、レース以外でもスポーツを一緒に楽しんだり、たくさんのことを共有しています」
富士スピードウェイのコースの印象は?また、今回マシンには(コーナーの旋回速度が上がる一方で、直線の最高速度が下がる)高ダウンフォース空力仕様が投入されます。勝利のカギは何だと思いますか?
「私自身は2007年と2008年にF1で走った経験があり、2008年は優勝を飾った思い出深いサーキットです。全体的には短いコースですが、直線が長い。直線は速く走らないといけないし、コーナーのカーブに上手く対応しないといけない。そのためマシンのバランス調整が非常に難しく、そのセットアップがカギを握ると思います」
まだシーズンの途中で気が早いですが、来年の具体的なプランはありますか?
「今はまだありません。いくつかの可能性を探っている段階です」
ファンは世界三大レース(F1モナコGP、インディ500、ル・マン24時間レース)のトリプルクラウンを期待しています。
「そうですね、世界中のファンが期待しているのはわかっています。昨年、インディ500に挑戦してダメ(途中リタイア)でしたが、今年はル・マンで勝つことができました。もちろん達成できれば歴史的なこと。自分の中のひとつのプランではありますが、(インディ500への再挑戦は)まだ確定していません。決まったら、すぐに教えますよ(笑)」
最後に富士6時間レースに向けての意気込み、そしてファンへのメッセージをお願いします。
「我々はいつもと同じように積極的にアタックを仕掛け、チームで1・2フィニッシュできるよう、全力で戦います。富士スピードウェイで走るTOYOTAをぜひサポートし、応援してください。アリガトウ」
文=河合哲治郎 撮影=中川容邦