女優・床嶋佳子、初のライフスタイル本発売!人生を美しく楽しく生きるためには…
もしかしたら、今が人生で一番楽しい時期かもしれない
――いい50代を迎えるために、どんなふうに日々を重ねていけばいいのでしょうか?
床嶋:自分のことを振り返ると、以前はやっぱりものの考え方が堅かったと思うんですよ。それが生真面目の悪い部分。若い頃から軽やかさを持ち合わせている人に比べたら、私はバランスが悪かったと思うし、欠点だらけの人間でした。でも、だからダメっていうわけでは決してなくて。100人いたら100通りの人生があるから、比べる必要はないと思うんですよね。もちろん私もメソメソするときがありますよ。そうすると思考が暗くなっていって、誰かを羨ましいと思うことも。でも、そんなふうに思い出したらキリがないじゃないですか。自分よりいい感じの人はいっぱいいるし、たとえ自分が幸せになったとしても、満足できなければいくらでも上の人はいるわけですし。なので、まずは自分に自信を持って、これでいいんだって自分を認めて、強くなること。それが大事だと思いますね。
――そうは言っても、自分に自信を持つのって難しくないですか?
床嶋:確かに難しいですね。でも、日本人の女性は強いから。昔からそういうDNAを持ってるんですよ。もし自分のことを弱いと思ってる女性がいたら、「そんなことございません」、って言いたいくらい(笑)。だから、頑張れるときは頑張ればいいっていうのは、そういうことなんですよね。だって、心配しなくても頑張れなくなるときが来るんだから(笑)。そのときに、ふっと力を抜いてみるっていう。
――そうすると床嶋さんのような生き生きした50代を迎えられるんですね。
床嶋:そう思ってもらえたらうれしいですね。やっぱり、人は生きることを諦めちゃいけないし、生きている間は楽しく過ごしたいじゃないですか。今までの人生で私が意識してきたのは、後悔だけはしたくないなって。何かターニングポイントを迎えるたびに、これでいいの? 後悔しない?って自分に十分問いかけてから、一歩踏み出すようにしてきたんです。だから、基本的に後悔はないんですよ。もちろんゼロというわけではないですけど、戻ってやり直せるわけじゃないんだからしょうがない(笑)。それよりも今、自分の周りにあるキラキラしたものを楽しもう、そこに目を向けようっていう。もしかしたら、今が人生で一番楽しい時期かもなって思うんですよね(笑)。
取材・文=片貝久美子
とこしま・よしこ=6歳からバレエをはじめ、13歳でヴェルナ国際バレエコンクール・ジュニアの部に出場。1986年に開催された第4回全日本バレエ・コンクールでシニア部門1位に輝く。その後1988年の日・米・露合作ミュージカル「12ヶ月のニーナ」で主役を務め、それをきっかけにバレリーナから女優へ転身。以降、テレビドラマや舞台への出演をはじめ、幅広く活躍中。主な出演作に、舞台「もとの黙阿弥」、朗読劇「この子たちの夏」、ドラマ「新・検事 霞夕子」、「警視庁・捜査一課長」など