池上彰が新時代「令和」を前に平成の30年間を昭和との比較で掘り下げる
池上彰コメント
──平成が終わり、新たな時代“令和”を迎えます。
元号が変わるからといって世界が変わるわけではない。平成になる時、東西冷戦が終わり、日本ではバブルが弾けた。金融機関が次々にダメになったり、阪神・淡路大震災、東日本大震災といった災害も発生するなど、非常に暗い、激動の時代でした。
だからこそ、元号が変わることによってリセットされるのではないか、次はもう少しいい時代になるのではないか、という期待が高まっているということでもあるのだと思います。
──改めて平成を振り返っての印象は?
ああ、そういえばこれも平成だったとか、昭和の頃のことと思っていたけど平成になってからだったんだ、という再確認ができました。こんなに大事なことがあったのに忘れていた、ということが多かったですね。今の選挙制度になったのも平成ですし。
──今回のスペシャルの特色は?
今回はスタッフと相談して、この事件があったからこの後こう変わったんだ、こういうことがあったから日本が決断をした、など、私たちが今普通に思っていることも、実は平成の間に起きたことによって変わってきたんだ、ということを改めて見直してみよう、と思いました。
それが番組の持ち味の一つだと思います。今起きていることがニュースになるわけですが、それがニュースになる少し前に遡って検証する、ということですね。
──さまざまな世代の方がご覧になると思いますが、見どころは?
視聴者のそれぞれの世代、年代で受け止め方が違うと思います。昭和のことを知っている方は、「そうそう、これは平成になってからだ」という新たな発見もあるでしょう。若い人たちは「え?昔はそうだったの?」みたいなこともあるでしょう。
銀行が護送船団方式でどの銀行の金利も同じだった、なんていう事実に若い人は驚かれるのではないでしょうか。ご家族でご覧になると、それぞれの世代の方の反応を見ることで新たな発見もあると思います。